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これはただのガールズ青春映画じゃない!『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

【基本情報】

 原題:Booksmart
製作年:2019年
製作国:アメリカ
 配給:ロングライド

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:7/110
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★★★
    音楽:★★★★★

【あらすじ】

高校の卒業式を翌日に控えた親友同士のモリー(ビーニー・フェルドスタイン)とエイミー(ケイトリン・ディーヴァー)。彼女らは高校生活の全てを勉学に費やし輝かしい進路を勝ちとった。

「パーティー三昧だったやつらとは違うのよ」と誇らしげにしていた2人だったが、なんとそのパーティー野郎たちもこぞってイェール大、ハーバード大、さらにはGoogleに進むことを知って驚愕する。

勉強しか知らないまま卒業するのはもったいない!2人は失った時間を取り戻すべく、呼ばれてもいない卒業パーティーに乗り込むことを決意する。

【感想】

これは予告のときから楽しみにしていたんですが、案の定最高に笑えるし、涙ちょちょぎれるガールズ青春映画でメッチャ面白かったです!女優オリヴィア・ワイルドの監督デビュー作品でもあるんですねー。

アメリカの青春映画らしく、下ネタ、ドラッグ、セックス、ゲロなど、若気の至り全開で、観てると元気が出てきます。本当に向こうのこういう青春感、パーティー感は邦画では絶対表現できない陽気さと楽しさがありますよね。いっつも憧れますもん。逆に邦画のパーティーシーンとかって全然憧れなくて(笑)

日本の映画やドラマではほとんど聞けないワードや効果音が惜しみなく使われていたり、コンドームに水を入れて投げ合ったりと、本当にキャッキャしてて楽しそうでした。

これはもうね、がんばってがんばってキスまでいけるかいけないかの邦画と、「ヤッた?」とカジュアルに言っちゃう洋画の差ですかね。文化の違いでここまで変わるのかと。

しかも、今回の映画の推しポイントは単にはっちゃけて終わるだけじゃないところなんですよ。淡い恋心、親友との対立、人を知ることの大切さなど、物語におけるテンションの浮き沈みのバランスがよくて。だからこそ、笑えるところはすごく笑えるし、こういう映画にしてはめずらしく泣けるところもあったんです。

また、主人公が女の子だから、てっきり「女の子って楽しいー!」って感じの映画かなとも思ったんですけど、そうじゃないんですよねー。「自分たちの高校生活が間違っていたらどうするか」という大前提があった上で、あくまでも「失われた時間を取り戻す」っていうことに焦点を当てているので、女の子とか男の子とか関係なしに、“ヒト”よりも“コト”の方を大事にしたい映画なのかなって感じがしました。

実際に制作側も「女の子が卒業間近でパートナーになってくれる男の子を探すために奔走する」というお決まりパターンを回避するために、エイミーを同性愛者にしたそうなので。

もちろん、内容からして主人公は男の子に置き換えられるとは思うんですけど、女の子がこういうことをしちゃうんだっていう新鮮さはあったし、その方が笑い的にも勢い的にも勝るような感覚はありました。そこは数ある青春映画との差別化かなとも思いますけど。

最初は2人が忌み嫌っていたパーティー野郎たちも、話してみたら意外といい人たちだったりして、なんかね、年取ると人間に対する好き嫌いも増えてくるけど、やっぱりその人を知ろうとしなければ知ることはできないな
っていうことをふと思いました。僕も小さい頃は人見知りなんかまったくせずにどんどんいろんな人に話しかけることができましたけど、大人になると知らない人とか合わなさそうな人とはあえて話したりしませんからね。。。

若いっていいですね。

ちなみに、僕はジジというキャラクターがすごくお気に入りで。神出鬼没でちょっと様子がおかしい言動がコミカルで笑えるんですけど、その役を務めたビリー・ロードって、『スター・ウォーズ』シリーズでレイア姫を務めた
故キャリー・フィッシャーの娘なんですよ!『スター・ウォーズ』ファンとしては感慨深かったです。。。


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