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『シークレット・ジョブ』が『エクストリーム・ジョブ』に勝てない3つの理由

【基本情報】

 原題:해치지않아
 英題:Secret Zoo
製作年:2020年
製作国:韓国
⠀ 配給:クロックワークス

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:60/96
⠀ ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

有名法律事務所で見習い弁護士として働くテス(アン・ジェホン)。
彼のもとに廃業寸前の動物園"ドンサンパーク"の経営を3ヶ月で立て直す案件が舞い込んできた。

客もおらず、動物もほとんど残っていない状況をどう乗り切るか。そこでひらめいたのが、動物園のスタッフたちが精巧な着ぐるみに入り込んで動物に扮装するという奇策だった。

ホッキョクグマ、ライオン、キリン、ゴリラ、ナマケモノの着ぐるみに身を包み、偽装勤務を始めるスタッフたち。インマイクで連絡を取りつつ、首や肩の痛みに悩まされながらの奮闘が続く。

ある日、のどが渇いたテス(ホッキョクグマ)は客が放り投げたコーラをこっそり飲むも、それが観客に見つかり、しまいにはネットで拡散される事態に。

果たして、この動物園の運命やいかに。

【感想】

完全に設定勝ちな映画でした。動物がいないから、着ぐるみに入ろうなんて、邦画じゃまずないですよね(笑)こういう振り切った設定してくる韓国映画、やっぱり好きです。

この映画、タイトルが似ていることから気づく人もいるかと思いますが、あの刑事なのにチキン屋を営むことになった『エクストリーム・ジョブ』の制作チーム最新作というからすごく期待していたんですよ。あの映画、今年公開した映画の中で6番目に面白いと思っているので!

予想通り、設定の秀逸さもさることながら、動物に扮装して客を騙すシーンは爆笑必至で、他のお客さん含めて館内は盛り上がっていました。その面白おかしさは評価できます!

できるんですが、全体的な面白さとしては正直そこまでかな、、、という印象だったんですよね。。。

もはや違う映画なので比較すること自体おこがましいかもしれませんが、『シークレット・ジョブ』が『エクストリーム・ジョブ』に及ばなかった3つの点を僕なりに書き留めたいと思います。

1.期待値の高騰

そもそもの前提となる話になってしまいますが、『エクストリーム・ジョブ』がとても面白ったがゆえに期待しすぎてしまったんですよね。もちろん、今作も面白いことに変わりはないんですが、『エクストリーム・ジョブ』に匹敵するかと言われたら、そこまでではなかったです。
ちなみに、『エクストリーム・ジョブ』のときは事前情報ゼロだったので期待もクソもありませんでした。

2.テンポの悪さ

これも『エクストリーム・ジョブ』があったがゆえに感じてしまったことなんですが、あちらは刑事モノなので敵対勢力がいます。その構図の時点で勧善懲悪のわかりやすい構図になるんですが、そいつらを追い詰める緊迫感やスピード感が魅力でした。
一方、今回の映画は完全にコメディとなっており、舞台も動物園から動かないので、緊迫感やスピード感という点では物足りなさはあります。ジャンルが違うのだからそうだろうっていう話ですが、例えば着ぐるみがバレるんじゃないかというシーンを増やしたり、矢継ぎ早に事件を起こすことで、緊迫感やスピード感というのはもう少し出せる気がしました。

3.ギャップのなさ

『エクストリーム・ジョブ』は本来シリアスであるはずの刑事モノなのに、みんな揃ってチキン屋になっちゃうっていうバカらしいギャップがツボなんですよ。
今回は着ぐるみに入るという設定自体は面白いものの、動物園のスタッフが動物の着ぐるみをかぶるのは割と自然だなっていう気がするので、そこまでの驚きはなかったです。
まあ、いくら精巧な着ぐるみにとはいえ、普通にバレるだろっていう冷静な視点もあったので、そこまで入り込めなかったのかもしれません(笑)

なんか、こう書くとこの映画があんまりおもしろくないんじゃないかっていうふうに観えてしまいますが、決してつまらないわけではないですし、普通に爆笑できる内容です!ただ、『エクストリーム・ジョブ』が本当に面白すぎたっていうだけなので。。。

なお、『シークレット・ジョブ』は7月24日から1週間限定公開なので、気になる方はお早めに!都内だとシネマート新宿でしかやってないですよ!


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