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信頼関係の上に成り立つ罵詈雑言は笑いさえ生む『喜劇 愛妻物語』

【基本情報】

製作年:2019年
製作国:日本
 配給:バンダイナムコアーツ、キューテック

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:11/131
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★★★★★★★
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

売れない脚本家の豪太(濱田岳)は、大学で知り合ったチカ(水川あさみ)と結婚して10年目。5歳の娘のアキ(新津ちせ)がいるが、脚本家としての年収は50万円程度で、生活費はチカのパートに頼っている。

若い頃は豪太の才能を信じて支えてくれいたチカも、今では豪太の情けなさに呆れ果て、口を開けば罵倒の言葉が飛び出す毎日。

豪太のさしあたっての問題は、チカと三ヶ月セックスしていないこと。夫婦仲はほぼ冷め切っているが、人並みの性欲を失っていない豪太は、日夜タイミングを見計らい、あらゆる手段を使ってセックスに持ち込もうとするのだが、ものの見事に玉砕。

ある日、豪太は旧知のプロデューサーに預けていたホラー映画の脚本の映画化が決まったことを知らされ、さらに別企画のプロットを書くように薦められる。

それは、豪太が以前に「四国にいる高速でうどんを打つ女子高生」の存在を知って、映画の企画書を提出していた件だ。

脚本化するには四国に取材に行かねばならないが、取材先を巡るにも豪太はには運転免許がない。そこで、チカに運転係として同行してくれるよう説き伏せ、なんとか親子3人で四国旅行に行くことになった。

四国に着くも、豪太は相変わらずセックスを求め、チカは暴言しか吐かない。さらに、豪太に降りかかる災難は続き、夫婦仲はどんどん険悪になっていく。

果たして豪太はチカと仲直りしてセックスできるのか?

【感想】

こーれはヤバイですねwww 今年一番笑いましたwww 倦怠期、、、じゃなくてもいいんですが、30代ぐらいの夫婦にはぜひ観ていただきたいセックスレスエンターテインメントです!

とにかく、水川あさみが演じたチカのキャラクターが最高すぎるんです。暴言がひどいなんてもんじゃないですよ?モラハラって言葉すら生温くて、言葉による惨殺に近いですからwww

不甲斐ない夫に常にイラついていて、「気が利かねえ」だの「息すんな」だの「おめーには泣く権利も笑う権利もねえ」だの「粗チン」だの「きめぇ」だの、夫である豪太がかわいそうに思えてきてwww

よくもまあこんなにたくさんの悪口が出てくるなってぐらい悪口のゲート・オブ・バビロンって感じなんですが、これだけ悪口を聞かされてもまったく不快感がないのは、まあ実際に豪太にも非があるからってのもそうなんですが、やっぱりこの夫婦の根底には信頼や愛情があるのを感じるからなんですよね。

だって、離婚しないから。

これだけギャーギャーわめくなら普通はさっさと見限ってもいいと思うんですが、別れないっていうことはそういうことなんじゃないかと。

以前、「信頼関係のないいじりはいじめと同じだ」ってあるお笑い芸人が言ってましたけど、今回に関してもその信頼を感じ取れるからこそ、これだけの罵詈雑言にも逆に愛を感じるし、むしろ笑いさえ生んでしまうんじゃないかと思うんです。

もはや夫婦コントですよ。チカによるキレギャグみたいに見えるのがツボですね。あの暴言の数々はマジで笑えるからこれはオススメできる映画です。

さらに、豪太のうずく性欲も男なら共感できますし、そこに現れる大久保佳代子の妙なエロさがまたね、わかりみが深いんですよ(笑)

これ、監督の実体験に基づく話らしいので、これを劇場公開しちゃうなんて、メンタル強すぎじゃないかって思いました。いや、それぐらいじゃないと映画監督なんてできないですよね、きっと(笑)


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