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落ち込んだりもしたけれど、やりたいことやり続けたら夢も金も旦那も手に入った『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

【基本情報】

⠀ 原題:Little Women
製作年:2019年
製作国:アメリカ
⠀ 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:19/63
切ない🥺:★★★★☆
⠀ 感動😭:★★★☆☆
⠀ 笑い😂:★★★☆☆

【ストーリー】

これは、マーチ家四姉妹の「自分の求める人生に向かってどう歩んでいくか」を描いたヒューマンドラマ。

結婚を夢見る長女メグ(エマ・ワトソン)。
小説家を目指して日々執筆に取り組む次女ジョー(シアーシャ・ローナン)。
病弱で病と闘う三女ベス(エリザ・スカンレン)。
絵の才能があり、お金持ちに憧れる四女エイミー(フローレンス・ピュー)。

個性豊かな四姉妹は、時にぶつかり合い、理想と現実の間で葛藤しながらも、それぞれの人生を生き抜いていく話。

【感想】

(すみません、有名すぎる話なので、ちょっとネタバレ入ってます)

本作はルイーザ・メイ・オルコットの自叙伝的小説を原作とした映画ですが、なんと映画化されたのはこれで10回目なんですよ(一番有名なのは1994年のウィノナ・ライダーが出ていたやつですかね)

僕は現在視聴可能な5作品を事前に観たのですが、本作はそれらすべての要素を盛り込んだ上で、シーンはすべて再構築され、さらに現代の女性らしい視点を加えた、まさに「すべてを詰め込んだ総力戦」の『若草物語』だったと思います。

理想と現実のギャップ。
結婚に必要なのは愛なのかお金なのかという葛藤。
そもそも結婚が女性の幸せなのかという疑問。
これらは今の時代だからこそ強く感じることかもしれません。

しかも、初の女性監督ということで、女性の立場からするとより響く内容になっているかもしれないので、女性にはぜひ観ていただきたい映画ですね。

さて、メインは次女のジョーになるのですが、この映画には2つのテーマがあります。

ひとつは、自分の夢を追いかける話。
もうひとつは、恋愛の話。

とにかく彼女の小説家になりたいという想いの強さは凄まじく、それはあんなに仲睦まじくしていたローリー(ティモシー・シャラメ)からのプロポーズを断るほど。

ジョーは嗜好の不一致を挙げていますけど、単に彼女は結婚することで人生が詰むってずっと思っていたんですよ(後にそんなことはなかったとわかるのですが)。
ここは共感できますね。
僕もさすがに詰むとは思っていませんが、結婚するとやはり自分の時間が減るので、やや窮屈になってしまうのでは、、、という懸念はあります(笑)

ちなみに、このときのローリーの必死の告白の演技がすごくよくて。
「ああ、ずっと気持ちを伝えたかったんだな」って観ているこっちが微笑ましくなります。

その後もジョーは書いて書いて書きまくって、ダメ出しされて落ち込んで、それでも書いて。

でも、何年かして「自分には愛されることが必要だ」と感じ、ローリーの気持ちに応えようとするのですが、時すでに遅し。。。
ジョーは、あれだけ仲良かったし、私に気が合ったんだからいけるっしょっていう淡い期待があったんだと思います。

しかし、彼はまさかのエイミーと結婚することに。
(「お姉ちゃんダメで、妹いくか?普通」とは思いますがねw)
とはいえ、切ない。。。
あんなにいっしょにいたのに。。。
あのとき受け入れていれば。。。

でも、ジョーは言うんです。
「女性だって、野心はあるし才能もあるし美しさもある。なのに、女性の幸せが結婚だけだなんて間違ってる!」って。
こんなにはっきり言ったのはこれまでの作品にはなく、今回が初めてなんですけど、女性が活躍できる今の時代だからこそ、あえてセリフとして入れたんだなと感じましたね。

そうは言っても、ジョー自身寂しさを抱えていたのも事実。だから、そんなタイミングで現れたベア教授(ルイ・ガレル)とくっついちゃうのかもしれませんね。
もはや完全にタイミング物語(笑)

しかし、ジョーの立場だけで考えれば、結局自分のやりたいことをやり続けたらすべて手に入ったサクセスストーリーにも見えるんですよね。
夢は叶い、大金も手に入れ、結婚もするんですから。
(ちなみに、実在の著者は生涯独身だったそうです)

ただ、気になる点もちょっとあって。
今回は過去作との差別化を図るため、ジョーが過去を振り返る形で進んで行くため、時系列が行ったり来たりしてます。
ストーリーを知っている人ならまだしも、初めて『若草物語』を観る人はわかるのかなーと。

あと、ジョーとベア教授の馴れ初めがほとんどなくて、2人がくっつくのがかなり唐突に感じるかもしれません。過去作品では、2人の仲が深まるシーンがいくつかあるので、自然だなと感じるんですが。

何はともあれ、今の時代、この年齢(30代半ば)で観るからこそいろいろ考えてしまう部分もあるので、同じ年齢の方、女性の方、ぜひ観てみてください。

ちなみに、個人的な好みで言うと、以下の順番で面白いです。
1.1994年版
2.2019年版
3.1949年版
4.1933年版(TSUTAYAで借りてください)
5.2018年版


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