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警察官が歌って踊って殴って蹴って撃ってメッタ刺しにする『ダルバール 復讐人』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:28/142
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

インド映画
アクション
バイオレンス

ダンス

【あらすじ】

政府高官にその手腕を見込まれ、ムンバイ市警察長官に就任したアーディティヤ・アルナーチャラム(ラジニカーント)。最愛の娘ヴァッリ(ナヤンタラ)と共に赴任したが、ムンバイでは麻薬がはびこり、女性を誘拐し、売春を強要する事件が多発していた。

州副首相の娘らも誘拐され、捜査にあたったアーディティヤは、この機に麻薬密売組織の壊滅を目指して徹底的に摘発する。そのため組織の恨みを買い、娘と共に襲われる。

大切な者を奪われた上、犯人が特定できない状況に、怒りを爆発させたアーディティヤは警察官としての正義を捨て、復讐人と化す!

【感想】

インド映画は1月に観た『ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画』以来なので、実に半年ぶりぐらいでしたが、やっぱりいろいろおかしくて好きです(笑)

<異常なまでの主人公の持ち上げ>

とにかく主人公のみを圧倒的に目立たせる構成は、"わびさび"を美徳とする日本ではありえないような構成ですね。まず、冒頭から“SUPER STAR RAJINI”のロゴです。一瞬どこの制作会社なんだろうと思ったんですが、これは主演のラジニカーントのことなんですよね。主演とかじゃなく、スーパースターってつけちゃうところがもう主張激しいなって(笑)

作中でも、とにかくナルシストかってぐらい自信家かつ、ひとりだけパラメータがチートで強すぎなんですよ。至近距離なのに、弾は当たらず、飛んでくるナイフも手づかみ。ひとりで何十人ものギャングをコテンパンにのしちゃう腕っ節の強さを持っています。

基本ワンパンで敵を倒すんですけど、よく見ると、やっているアクションはそんな大それたものじゃないんですよ。攻撃する過程はあまり映さず、攻撃がヒットする瞬間にフォーカスしているのと、そのタイミングでのスローモーションを多用していること、あとは敵がふっ飛ぶことで、メチャクチャ強いように見せてます。大して致命傷にならなそうな攻撃の数々なんですが、見せ方がうまくて、とてつもない攻撃を繰り出しているように見せるのがうまいです。いかにスーパースターをかっこよく見せるかってことだけに特化させた作りが振り切ってて面白いところ。

<ストーリー自体はシンプル>

ストーリー自体は殺された娘の復讐というだけなので、シンプルそのもの。むしろ、そんなに面白いかっていうと、ちょっと回答に困るぐらいではあります(笑)だって、復讐のシーンは物語開始から2時間経ってからで、それまではながーい前振りですからね。。。(笑)一応、冒頭で主人公が街の悪者を殺しまくっていくシーンから始まり、回想する形で復讐に至る経緯が明かされていくものの、インド映画ってもともと尺が長いので、やや中だるみする感じは否めませんでした。

<ボリウッド特有の歌と踊りは健在>

インド映画と言えば、歌と踊りを楽しみにしている人もいるかと思いますが、今回もバッチリあります。インド映画における歌や踊りというのは、男女の情事を表していると聞きますけど、今作に限っては関係なさそうですね。男女の絡みなんてないので、ただ主人公の強さと豪快さを誇示するためだけにやっていたような印象です。

<その他>

これもインド映画あるあるですが、お酒がちょっとでも映ると、画面左下に「飲酒は健康を害する恐れがあります」っていう注意文言が必ず入るんですよ。前も別の映画では、動物が出てくるたびに、「この映画では動物に危害は加えていません。CGです」みたいな注意文言出てきたので、向こうではかなり重要なことなのかなと。

正直、映画の内容自体はオーソドックスなアクションものなんですが、主人公のかっこよさに振り切り過ぎてて、ものすごい作品に見えてしまうのが、本作の面白いところですね(笑)2週間限定公開だそうなので、観たい方はお早めに。都心だと新宿ピカデリーでやってますよ!


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