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童貞の喜びと悲しみを堪能できる『ドリームランド』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:25/71
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

ラブストーリー
ロードムービー
童貞と綺麗なお姉さん

【あらすじ】

1930年代半ば、荒涼としたテキサスに暮らす17歳のユージン(フィン・コール)は、ある夜、納屋で大ケガを負った女性と出くわす。彼女こそが地元の銀行を襲撃し、警察から追われている強盗犯アリソン(マーゴット・ロビー)だった。

危険な人物だと知りながらもアリソンに惹かれるユージンは、彼女を匿うことにする。捜査の包囲網をかわし、自由をつかみ取ろうとするアリソンと、希望に満ちた新天地への憧憬を膨らませるユージン。

過酷な現実から逃れるという夢を共有した2人は、果たして“ドリームランド”へたどり着けるのだろうか……。

【感想】

男子目線で申し訳ないですが、エロくてキュン(悶々?w)とする映画でした。田舎町の青年と犯罪者のお姉さんですからね。いろいろ妄想してしまいます(笑)

「綺麗なお姉さんは好きですか?」っていうCMは日本でも有名ですよね。僕は食い気味に「もちのろんです」と小さい頃から言い続けてきましたが。今回、ユージンがアリソンを匿ったのも同じ理由ですよ、絶対。あれが、ただのおっさんだったら、即通報ですよ。懸賞金1万ドルですし。

"お姉さん"っていう存在、なんか魅力的ですよね。これは、年齢関係なしに言われる「ちょっとそこのお姉さん」という意味ではなく、文字通り、自分より年上っていう意味でのお姉さん。学生時代も、"先輩"ってだけで、妙に緊張というか、憧れというか、そういうのありましたもん。だから、ユージンも1万ドル以上の価値をアリソンに感じちゃったんですよ、きっと。いくら犯罪者とはいえ、足を撃たれてケガをしている上に、あの美貌だもの。17歳の童貞からしたらなおさらプライスレスでしょうよ。憧れと下心と非日常が一気に押し寄せてきたって感じです。

しかも、彼は日常に閉塞感を感じてるんですよね。住んでる田舎町には楽しみもないし、母親の再婚相手の男とはわだかりもあるし。そんな中で現れた綺麗な犯罪者のお姉さん。もう天使と悪魔がいっぺんに来たって感じじゃないですか。この突然やってきた非日常感にドーパミン出まくりなんじゃなかろうかって。

で、彼女にすべてを捧げる勢いで、いっしょにメキシコへ逃亡しようとします。ここにもうキュンとしちゃって。綺麗なお姉さんとの冒険とか、「ロマンティックいただきました!」って。さすがにこんな冒険は僕も経験はないですけど、ちょっと行事の作業とかで女性の先輩と教室に2人きりとかになったら、なんか意識しちゃいましたからね、そういう思い出がふとよみがえりました(笑)

でも、もっとキュンとしたのは、逃亡途中に寄ったモーテルのシーン。いくか?ついにいくか?って、もうドッキドキで。エロいのなんのって。自分の人生を棒に振ってまでいっしょになりたいと願ったお姉さんとおおおお!シャワールームでええええ!

結果は、映画をご覧ください。

ところが、終盤は一気に風向きが変わるんですよー。ここまでは、多くの男子が憧れるような妄想の世界全開でした。その天にも昇る気持ちだったのが、ラストで一気に地獄に突き落とされるっていう。

童貞、、、いや、17歳の青年が受け入れるには荷が重すぎる現実。自分のキャパを超え、錯乱状態に陥るユージン。挙句の果てに、「おまえなんか現れなきゃよかったんだ!」と、愛したアリソンをなじる始末。道ならぬ恋の代償が大きくついたことに、僕は心にポッカリ穴があいた気分で、かつて味わった失恋に近い気分を思い出して悲しくなりました。

これ、けっこういろんな要素を含んだ映画だったんですけど、全体的には童貞の若さ溢れる青春映画っぽいかなって僕は思いました。そこで、恋した相手が犯罪者という非日常感に、前半と後半の格差に感情の振れ幅が大きくなるっていう構図が好きでした。

あと、この映画ってユージンの妹が回想する形でナレーションが入るんですよ。そのラストの言葉である「喪失感の受け継ぎ」っていうのも、いろいろ妄想すると感慨深いなって思うので、ぜひ映画館で観てみてください。


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