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人生の一コマ 第9話

前回の記事の続きです。

人生 初のお百度参りにふさわしい時が来た。

夫の両親も突然現れる事もなく、子供達も早く寝てくれた、

その日は、夫も早く帰宅し職場でのストレスも無くゆったりとしている。

雨の心配もなさそうだ。

夕飯の片付けも済み、一度布団に入る事にした。

夫には、これからお百度参りに行ってくる事を話した。

「本気だったのか」と言われたが気持ちは変わる事は無い。

第三子の深夜の授乳を済ませたら出発する事にした。

季節は初冬、時刻は深夜、自転車で走るにはもう寒い。

第三子をおんぶしてママコートを来て、あたたかくして

深夜の街を走り出した。

誰にも合う事なく   無事お世話になる神社さんに着く事ができた。

用意した50本の紐の束を手に、靴と靴下を脱いて裸足になった。

そして お社へ進み こんな時間に参拝に来た理由を全て話した。

そして

一度 石畳みを歩き鳥居の外へ出る事にした。

石畳みは冷たく  つま先の感覚がもうすでにない。

一回目の参拝のためにお社に向かう。

手にしている50本の紐の一本を折る。

お社の前に着き  手を合わせ神様に聞いていただいた内容は

「夫の両親と毎日 険悪な状態です。何か良くなる方法はありませんか。

教えてください。

夫の病気が治ります様 お願いします。

夫を以前の様に尊敬できる様 私を戻してください。」

こんな言葉が心の中から出てきた。

2回目の参拝のために 鳥居の外まで歩く。

2回目の参拝を始める   歩きながら49本の紐の中から一本を折る。

お社の前に着く。

心から出てくる思いを神様に聞いてもらう。

こうして 回数が過ぎて行く。

20回位過ぎた頃、足元の枯葉が私の後を付いて動いているのに気づいた。

風も無く静かな夜であった。

私がお社から鳥居に向かうと、サワサワサワと一緒に歩いてくれている。

私が鳥居からお社へ向かうと、サワサワサワと一緒に歩いてくれている。

時折、治安的な恐怖もよぎったりしていたので、

神さまが護衛する様に枯葉さん達にお願いしてくれた様に感じた。

この現象は100回目まで続き、自然は神と繋がっているんだと

私は感じた。

手元の紐の束が50回目を教えてくれた。

背中の我が子はぐっすり寝てくれている。

51回目はもう一度   50本の束の中から一本を折る。

この頃になると、お社の中で神様達が居る気配を感じる様になっていた。

私は 本当に神さまは居るんだと確信した。

すると   淋しさや  辛さや  不安や 悲しみや 切なさや 怒りや 

今    私が抱えている 自分を縛り付ける感情が解けてしまった。

すると そこには 安堵している自分が残っていた。

突然  全身を使って涙が溢れた。

感謝と言う感情だ。

そして

私は一人ではない。

神さまはいつでも聞いてくれる。

神とは初対面など無い。

こちらの情報は筒抜けだ。

      こんな思いがした。

すると

「安心したか」   皆んなが声をかけてくれた。

感謝の涙は止まる事なく 私は幸福感に満たされて 100回目の参拝を終えた。

神さま達は私をあたたかく迎い入れ、私の心があたたかさを

取り戻す様 

神力を与えてくれたのだと感じた。

辺りは 朝の気配を感じるようになっていた。

枯葉さん達はお社の前で私たち親子を神さまと一緒に見送ってくれた。

今でも思い出すと  あの安堵感に包まれる。






















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