あちらに行っても〜映画「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」
シリーズものは、大体が一作目の評価がいちばん高くなる。
2作目、3作目もよかったけど、やっぱり1作目だよねー、と。
「ロッキー」しかり、「ダイ・ハード」しかり。
「ワイルド・スピード」や「ミッション・インポッシブル」にいたっては、その主旨が変わってきている。
しかし、あるのだ。
2作目も3作目も、1作目と変わらない、いやそれを越えていく映画が。
それが、「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」
今作が前2作と違うのは、アクションの量。
もともと、このシリーズはちさととまひろの殺し屋らしからぬ、まったりゆったりの日常からの、やる時はやる、それがよかった。
今作にもそれがないことはないが、今まで以上にアクションシーンが多い。
もちろん、二人のスタントなしのアクションだから迫力は満点。
この映画のアクションはカーアクションなどではない。
すべて体と体がぶつかる肉弾戦のアクションだ。
今回の舞台は宮崎。
いつもの調子で、早々に仕事を片付けてバカンスを楽しもうする二人の前に、史上最強の殺し屋が現れる。
ちさととまひろは、これまでにない絶体絶命のピンチに追い込まれる。
宮崎で二十歳の誕生日を迎えるまひろ、それを極上の宮崎牛で祝いたいちさと。
ふたりは無事に高級焼き肉にありつけるのか。
とにかく、1作目、2作目よりも、ストーリーも登場人物も、全体が分厚くずっしりとした印象だ。
死体処理係のふたりもこれまで以上にいい味を出している。
殺し屋の先輩、入鹿みなみを前田敦子、そしてふたりを追い詰める孤独な殺し屋、冬村かえでを池村荘亮がそれぞれ演じる。
「向こうで待ってるからさあ、向こうでも遊んでほしいな」
「まひろさん、そんな約束わたしはしないよ」
予告編でも流れているこのシーンにはグッとくる。
誰でも、心の中にひとりやふたりは忘れられない殺し屋がいるだろう(いるよね?)。
このふたりも、その記憶の中に必ず残るに違いない。
書いたように、今回はいままでのふたりの日常のゆるゆるした掛け合いは少ないが、そちらはテレ東系で放映中のドラマ「ベイビーわるきゅーれ エブリデイ」でたっぷり味わってもらえる。
映画もドラマも、ふたりのファンにとっては、最高の秋になりそうだ。
主題曲、女王蜂の「狂詩曲」もいい。
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