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【俳句】暦売他〜碧 萃生

今日よりは遺品となりし置炬燵

寒暁や津波注意報は解除

何人なんぴとも読めぬ文字あり古暦

日向ぼこ運転手らの立ち話

セーターの糸一キロを転がり来

店先で人待つ銀杏落葉かな

冬凪や異国の人に道訊かる

歳末や奇術師どかと降ろす腰

守るものまだある残り燕かな

寒柝かんたくの明るき窓に向けて打つ

昼食に一品つけて事務納

うまいこと三部さばけり暦売

「暦売」の暦とは、干支九星の古風な暦のことで、暦売とは、その暦を売ることや人のこと。
九星とは、一白水星とかいうあれだ。
ちなみに僕は四緑木星。
昔は、そんな暦を売り歩く人がいたのだろう。
最近は、繁華街に出かけることも少なくなったのでわからないが、昔は年末になると、暦ではなく来年のカレンダーを街頭で売る人がいた。
アイドルのものや、電車や車、風景写真など、カラフルなカレンダーを積み上げて売っていた。
中には、少しアダルトなものもあった。
あれで、どれほど売れたのだろう。
僕は買ったことがない。
そもそもカレンダーを買った記憶がない。
特に社会人になってからは、取引先からもらえるものを会社のみんなで分けていた。
手帳にはこだわってきたが、カレンダーに対するこだわりはない。
今我が家にあるのは、写真やデザインよりも、記入スペースの広いもの。
ほとんど妻が使っている。
カレンダーをめくる時って、どうしてあんなに緊張するのだろうか。

※写真は大阪市中央公会堂のプロジェクションマッピング。
まだ明るくてイマイチでした。

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