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読書記録#84 スタンフォード式、人生デザイン講座


図書館で貸し出し予約していたこの本がようやくこのタイミングで借りれたので、脱資本主義系統の読書記録を3連投する予定だったが、間に挟むことにする。

キャリアをデザインする方法が細かく説明されている。
正直、全てを実行するのはかなり骨が折れるなあと思った。それだけキャリアを考えるのは大変なことなのだと言うことでもあるだろうが。

本稿では、心に残った言葉だけピックアップする。


●読書記録

仕事観と人生観を書く
    ↓
マインドマップを描く
    ↓
三通りの冒険プランを立てる
    ↓
ライフデザイン・インタビューや実体験をおこなう

わたしたちは情熱を見つけることにはあまり賛成できない。むしろ、時間をかけて情熱を養っていくことが大事だ。研究結果が示すとおり、ほとんどのひとにとって情熱とは、なにかを試してみて、それが好きだと気づき、上達したあとで生まれるものだ。もっと簡単にいえば、情熱とは巧妙なライフデザインの結果であって、原因ではないのだ。

→せやな。

どういう人生をデザインするのが理想的なのか?それは、
・あなたの人間性
・あなたの考え方
・あなたの行動力
の三つがスロットマシンのようにぴたりと揃う人生だ。

「学校に戻って医者になりたいのですが、最低10年はかかります。いまの年齢になって、そんな時間はかけられません。どうすればいいでしょう?」
「重力問題」。ライフデザインでは、対処不可能な問題は問題と呼ばない。

→現在を見ろということだ。あり得る選択肢の中から最高なライフデザインを築いていく。
人生は減点法だなあとつくづく思う。

データはあきらかだ。失業期間が長ければ長いほど、再就職は難しくなる。内容は全く同じで失業期間だけが異なる履歴書を使って実験を行なったところ、ほとんどの会社は失業期間の長い人を避けることがわかった。

→日本はちょっとでも空白期間があるものならもう這い上がれない社会だ、という批判が湧き上がりまくってるが、日本だけでなく、他の国でもやはりこういう傾向にあるようだ。そりゃそうだろうな。。

大事なのは、成功する見込みが限りなく低い物事にいつまでもこだわらないこと。
あなたの健康、仕事、遊び、愛の現状を評価してもらう。健康が一番下____つまり土台の部分____にあるのは、一にもニにも健康でないと、人生の他の部分を支え切れないからだ。

→今の人生の幸福度を測る指標=健康、仕事、遊び、愛の4つ。うん、しっくりくる。

世界やわたしたち自身の頭の中は、強烈な声であふれている。その声は、わたしたちにああしろこうしろ、こういう人間になれ、と訴えかけてくる。そして、世の中には人生の模範がたくさんある。すると、、無意識のうちに他人のコンパスを使って他人の人生を生きてしまう可能性はだれにでもある。それを避けるには、自分の仕事観と人生観を明確にし、自分だけのオリジナル・コンパスをつくるのがいちばんだ。
「人生がどうもうまくいっていない」「人生が大きく変化しようとしている」と感じ始めたら、コンパスを取り出して針路を調整するのが良い。私たちの場合、年に一回はそうしている。
道探しは、目的地がわからないときに進むべき道を見つけだす昔ながらの技術だ。道探しに必要なのは、コンパスと方角。地図ではなく方角なのだ。
フロー状態とは、いわば熱中のパワーアップ版だ。時間が止まっているように感じ、目の前の活動に完全に熱中していて、その活動の難易度とあなたの能力がちょうど一致している。だから、易しすぎて退屈なわけでも、難しすぎて不安なわけでもない___そんな状態がフロー状態と呼ばれる。

→理想。経験してみたいなぁ。

求人情報き目を通し、自分がゲットできそうな仕事を探すのだ。これは職探しの方法としては最悪で、いちばん成功率が低い。
まずは、行き詰まっているという状況を受け入れるべきだ。____そんなときにこそ必要なのが、アイデアの創造、つまり大胆なアイデア、クレイジーなアイデアをたくさん生み出すことだ。
①優れたアイデアが多ければ多いほど、そのなかからより良いアイデアを選べる。
②どんな問題であれ、絶対に最初に思いついた解決策を選ばない。

→最初に思いついたアイデアに飛びつくな、と本書は主張する。


根底にある恐怖

「ほかになにをやってもうまくいかないのでは?」
「自分が永久に行き詰まっていると認めざるを得なくなるんじゃないか?」
「失敗を認めるくらいなら永久に行き詰まっているほうがマシだ」
時には、いままでどおりのムダなやり方をつづけているほうが、大きな変化を試して余計に悪化するリスクを冒すよりも、気分的に楽なこともある。これは矛盾しているがよくある人間の行動だ。変化というものはつねに不確かだし、頑張ったからといってうまくいく保証はない。恐れるのは当然だ。
では、どうすれば前に進めるのか?小さなプロトタイプをつくってテストを繰り返し、失敗のリスク(と恐怖)を和らげるのがひとつの手だ。
「ベストな人生はひとつしかない。正解を見つけなければ、第二希望の人生、またはそれ以下の人生を送るはめになる」
この考え方は正しくない。だれにでも、何通りもの人生を送るだけのエネルギー、才能、興味がある。そのどれもがまともで、楽しくて、有意義だということは十分にあり得る。だから、どの人生がベストかと問うのは愚問なのだ。

→だからといって、申し訳ないが肉体労働は選択肢として有り得ない。

今後五年間の三通りの人生プラン____それもまるきり異なるプラン____を考えてもらう。
なぜ五年間なのか?
実際、人々の話を聞いていると、ほとんどのひとの人生はニ〜四年間単位が連なって成り立っている。
いちばんシンプルで簡単なプロトタイプの形は、ずばり、会話だ。
ライフデザイン・インタビューは驚くほどシンプルだ。誰かの話を聞くだけ。もちろん、だれにどんな話を聞いてもいいというわけではない。あなたが検討している仕事や生活を実際にしているひとびとや、あなたが疑問をもっている分野の本格的な経験や専門知識のある人々に話を聞くのだ。たとえば、
・どういう経緯でその仕事をすることになったのか?
・どうやってその専門知識を手に入れたのかる
・実際のところどういう仕事なのか?
・その仕事の好きな点と嫌いな点は?
・1日はどういう感じで進むのか?
話を聞いてみて、あなた自身がその仕事を何ヶ月・何年と楽しくつづける様子をイメージできるだろうか?自問してみよう。

→結局何するのにもコミュ力必須。現状打開の鍵はコミュ力が独占している。

プロトタイプ体験

・あなたがなりたいと思っているプロフェッショナルに1日同行させてもらう
・1週間、無償で働かせてもらう
・三ヶ月間のインターンシップに参加する(当然、この場合、より本格的な投資と努力が必要)


就活ツールとしてのインターネットは×

どういうわけか、インターネットが究極の就活ツールという考えが主流になったが、これも行き詰まり思考のひとつだ。この思い込みは大きな失望につながる___やる気の喪失とセットで。
夢の仕事といわれるような最高の仕事はまず公開募集されない。


ライフデザインの選択プロセス

①いくつかの選択肢を集め、生み出す
②選択肢を有力候補へと絞り込む
③選ぶ
④悩む×→断ち切り、前に進む


②に関して、ジャム販売の事例


実際、ほとんどのひとは選択肢が三〜五個くらいだとうまく選べる。それ以上になると選ぶ能力がだんだん低下しはじめ、選択肢が多すぎると思考停止に陥ってしまう。人間の脳はそうできているのだ。
「選択肢を消すなんてできません!」
「消し間違えたらどうしよう.....」
気持ちはよくわかる。でも、私たちは本気だ。とにかく消そう。選択肢が多すぎれば、ひとつもないのと同じ。だから、失うものはない。

→キャリアの話からは逸れるが、読書も自分のエッセンスに沿って、メモに取る箇所を始めから3〜5箇所だけに絞る気持ちで読むのが、1番早くて吸収も良い最適解なのかもしれないと思った。貧乏性は捨てる。

1990年、ジョン・メイヤーとピーター・サロベイが「心の知能指数」という概念を提唱する画期的な学術論文を記し、成功と幸せを実現するうえで、「EQ」が認知の知能指数である「IQ」と同じくらい____場合によってはそれ以上に____重要であると主張した。
わたしたちの考える判断力とは、ふたつ以上の「知る」手段を用いて判断を下す能力だ。主に使われるのは認知的な「知」だ。これは客観的で、体系的で、情報に基づく「知」であり、学校の成績表でAがもらえるタイプの「知」のことだ。しかし、「知る」手段はそれだけではない。直感的で、霊感的、情緒的な「知」もある。
加えて、社会的な「知」や肉体的な「知」もある。
失敗はまさに成功の原材料だ。


●感想

結論、キャリアデザインの方法論としては筆者には参考にならなかった。しかし、色々思考させられる箇所が多々あり、読み物としてはなかなか面白かった。

参考にならなかった理由として、上記メモには残してないが、まず、キャリアデザインを実行した具体的事例として挙げられている登場人物が皆超高学歴で高いスキルを持つ超優秀な人物ばかりで、人口の9割以上を占めるであろう“その他の一般人”には参考にならない。
登場人物がエリートだと、人生の行き詰まりから突破する事ができた要因がどれも高学歴・スキル持ちの本人の優秀さ由来のものだからだろとなって、どうしても共感できない。
優秀さは本人の努力によって取得してきたモノなので非難するつもりは毛頭ないし、良い人生に縁がないのは努力できない・しない本人自身が悪いと言われたらその通りで何も言えないが、、、

第二に、この本は「行動主義」を掲げている。実際の現場に触れてみる。失敗してみる。

というわけで、特に革新的な発見はなかった。やっぱりそうだよなぁ...という感じ。

それができないから悩んでいる。

進路系の悩み事に対しての回答はどれもこれも「実際に飛び込んでしまうこと」。

死なない程度のコミュ力・知力・判断力など総合的人間能力と、飛び込む勇気があるか否かが最重要ポイントになってくる。

この点、現役各種精神疾患者・経験者は要注意。
「失敗」という言葉は抽象的で、失敗の内容にるのだが、他者からの叱責、罵倒、存在否定がこの「失敗」含まれる場合、本書の積極的に失敗していこう作戦は精神疾患者には非常に危険である。再発・悪化のリスクが極めて高いのでやめておいた方がいい。
「失敗」は成功の原材料ではなく、病原菌だ。

まあ、大半の日本人はこういう人間に対して一番冷酷で非人道的なので、甘ったれはさっさと叩かれまくって瀕死状態まで苦しんで最後にのたれ死ねと思ってるだろうが。


以上、キャリア形成の方法として、本書の内容をまるっとそのまま実行してしまうのは良くないと感じた。あまり参考にはならなかった。

ただ、キャリア形成の側面以外で、普段の人間生活において参考になりそうなものは多々あるので、それらだけを汲み取ってうまく組み合わせて別の生存作戦を考えるしかない。

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