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その3: シュートの基本原則

過去の記事をここに載せておきます。
「その1」から順を追って話していますので、読まれたほうが理解しやすいと思います。宜しくお願いします。


今回はその3です。
シュートについて話したいと思います。


バスケットボールににおける得点の特性

まずはバスケにおいての得点について考えていきましょう。バスケの得点は他のスポーツに比べ特徴があると考えています。(全ての考察は1/1万ほどのレアケースを抜きます)

1)意図しないと得点できない
バスケはゴールが高い場所にあるので、100%得点を狙う行動を取らないと、得点できません。

2)パスがたまたまゴールインすることがない
人に向けて出したボールは、99%人に向かいます。サッカーのようにパスから軌道が変わったり人に当たったりしてゴールインすることはありませんし、センタリングが直接ゴールインすることもありません。これもゴールが高い位置にあるのが理由です。逆にゴールに向けて投げたボールは、99%ゴールに向かっていきます。

3)自殺点がない
シュートを打つ行為がはっきりしてるのと、シュートが打たれた後にボールに触れることができないので自殺点はバスケにおいてほぼ存在しません。

この3つの特徴が存在する理由…これはバスケにおいての「シュートという行為が他の行為と全く違う」ということにあると考えます。

例えば、サッカーにおいてゴールを狙うフリーキックと、パスのフリーキックの技術や動作は専門家からすれば全く違うかもしれませんが、かなり似た動きです。同じキックの技術を応用してると思います。

一方バスケにおいてのパスとシュートは、技術も違えば身体の向きも違いますし、何よりもボールが向かう軌道がまったく違います。

バスケはシュートが、絶対にシュート。

とても重要なポイントだと思います。


シュートの技術

バスケはシュートが絶対にシュートです。そのため技術が違います。バスケにおいてのシュート練習は他のバスケの練習と違います。
シューティングという練習があり、それは練習の意図や方法が他のメニューと違います。

パスとドリブルが上手いけどシュートが下手な選手がバスケに多いのは、これが理由だと考えます。共通の技術でないという自覚が必要です。  

ゲームルールにおいて、得点につながる唯一の行為がシュートです。シュートが上手くないと、得点できません。

シュートという技術は、不可欠です。
シュートが上手くなる事、これは全てのバスケットボール選手が向き合わなくてはいけないと思っています。

ただ、シュートとは得点につながる全てのシュートのことを指します。ダンクシュートもレイアップもフローターも全てシュートです。


良いシュートと悪いシュート

良いシュートと悪いシュートは、2つのファクターで判断されます。

1)ショットロケーション
ショットロケーションとは、シュートを打つ場所です。

レイアップと3Pが一番良い…

こう言われてますが、そうとは限りません。

シュートを打つ良い場所の決め方 図
・チームの選手の得意なシュート(確率が良い)
・FTがもらえそうなシュート
・相手の邪魔が少なそうなシュート

これを全て考慮して、良いシュートかどうか決めるべきだと思います。

つまり、「美しいショットチャート」は、チームによって違うのです。

これはヒューストン・ロケッツvsウィザーズ(10/30/2020)のロケッツのショットチャートです。*NBA.com/statsから拝借 

見事にミドルシュートが少なく、3Pとレイアップのみです。

ただ、これは3Pとレイアップの得意な選手を集めてるから、成り立つのです!まずは選手の特性に合ったショットチャート作りを心がけるといいと思います。ミドルも高確率で決めれるのであればミドルをメインで攻めても良いと思います。

ショットロケーションについては、僕が好きすぎる話題なので今後これだけについて語るブログを書きます!

2)オープンショットか否か
邪魔の無いシュートのことです。
チェックされたジャンパーvsフリーのジャンパーというイメージですが、更に深く考えることが必要です。

レイアップの確率は、色んなカテゴリーで計算してみたのですが大体6ー7割ぐらいです。

一方フローターになると、3.5割ー4割ぐらいと大幅に減ります。

この確率の大きな違いは何なのか?
それは邪魔(ディフェンスの体の向き)の種類になります。

レイアップはディフェンスが横

レイアップの時は、ディフェンスが横にいます。
バスケにおいてディフェンスが横の場合は、ディフェンスの負けです。

つまり、レイアップはほぼオープンショットではないかと、僕は考えています。

フローターはディフェンスが正面(ゴールとシューターの間)

一方フローターの場合はディフェンスが目の前にいます。
正面の邪魔が一番効果的なシュートチェックです。
つまりフローターは「チェックされたシュート」ではないかと考えます  

セットプレーのデザイン目的は、
「場所問わずフリーのシュートを生み出す」ということです。
これについても今後じっくり話したいと思います。



絶対に打てるシュート

バスケで最強なのは、絶対に打てるシュートです。
これ以上効果的なものはありません。

絶対に打てるシュートの一番の例は、ハーデンのステップバック3です。
ハーデンは1オン1の状態でブロックされず絶対に4割の3Pが打てます。

もう一つの例は、KDのエルボー付近からのミドルです。
誰がディフェンスしようがこのシュートは打点が高すぎて、必ず打つ事ができます。

ポイントは「決める」ことではなく、「打てる」ことです。


では絶対に打てるシュートの条件とは何でしょう?

それは高さor距離があれば可能です。

高さは邪魔されにくいor邪魔を感じない要素につながります。
KDのミドルは実質オープンショットです。

距離は、長距離のシュートになると守りにくくなります。
ハーデンは更に、下がりながら打つので距離が増えています。
下がる事で実質フリーのシュートを決めているということです。

そしてもう一つ、絶対に打てるシュートにはすごい効果があります。

「絶対に打てるシュート」を止めようとすると、
「絶対に止める策」が必要になります。

ハーゲンのステップバックはダブルチームや、左側につくことで。
KDのミドルはダブルチームなどが考えられます。

そうなると、
・そこからのパスのオープンショット
・カウンタームーブ(ショットフェイクからドライブ)
が簡単にできます。

つまり、

絶対に打てるシュートがなぜ最強なのかということですね。


シュートに関してはもっともっともっと話したい事がありますが、今回はここまで。


読んでいただきありがとうございました。

Mark Kaijima  



Instagram: @coachmarkjapan

Twitter: @mark_breakdown


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