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広告運用代理店って何に時間使ってるの?【30日間実録データ、総計203時間】

”広告運用代理店って結局何をしてるの?”
そんな素朴な疑問から書いているのがこの記事です。

この記事では広告運用代理店で働いていた筆者の実録データを元に、運用担当がどのように時間を使っているのか定量的に分析してみました。

個人的興味の為の分析であり示唆は深くありませんが、広告運用代理店を上手く活用していくためのヒントになれば幸いです👨‍🏫

誰に向けての記事か?
・広告代理店を使っている事業主/マーケ担当
・インハウスを検討している事業主
・広告代理店への就職/転職を考えている方

筆者プロフィール
外資系戦略コンサルティング→広告運用代理店→起業(アパレルD2C会社を運営中)

分析手法・前提

・15分単位×30日間、「案件」及び「業務内容」を記録した実録データを元に集計(ランチや休憩は記録対象外)

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・前提として、運用もフロントも1人が行う代理店(代理店によっては運用担当者とフロントを分けているケースあり)の、一社員のデータとなります。

分析結果①:業務別の稼働時間

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・細かい業務で見ていくと時間配分TOP3は①定例資料作成(その為の分析含む)、②掲載内容作成、③分析・検証結果の確認

・反対に、一昔までは非常に時間がかかったと言われる入札単価等の”運用調整業務”についてはそこまで時間がかかっていない(媒体の自動化性能の向上による影響)

・昔の広告運用担当と直接の比較は出来ないが、改善アクションを行う際に、検証や分析の比重が高まっていることは言えそう。(広告運用担当にはより一層分析思考や検証力が求められる)

改善アクションで最も時間がかかるのは”掲載内容作成”
※掲載内容とは、各媒体に入力する広告の情報です。細かい設定等はありますが、大きく分けると”誰に(ターゲット)””何を(クリエイティブ)"の2つの情報です。リスティングでいえばキーワードや広告文。ディスプレイでいえばターゲティングやクリエイティブ。

分析結果②:案件別の稼働時間

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※単位は時間/週
※既存:初期設計が終わりすでに配信中の商材
※新規:これから初期設計する配信予定の商材

運用担当者は1クライアント当たり週平均10時間、1商材当たり5.6時間の稼働。これを多いと見るのか、少ないと見るかは事業主のビジネス次第ではあるが、インハウスを検討する場合は「自社で広告運用する場合は最低でも週に1-2営業日の稼働が必要」という前提から考えても良さそう。

案件当りの稼働時間には開きがある(多いもので週9-10時間、少ないもので週3-4時間)

(補足)業務×案件別の稼働時間

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一応、クロス集計するとこんな感じでした。

示唆:代理店と上手く付き合う上でのTips

個人的な興味で分析してみましたが、いくつか広告運用代理店と上手く付き合うためのポイントが見えたのでメモしておきます。

分析~アクション~検証を最大限ひきだすような付き合い方・アクションを取る。

媒体の自動化に伴い、代理店の価値比重は運用調整から分析~アクション~検証をいかに効果的に回せるかに移りつつある。

ただ、実態としての分析~アクション~検証をサボる代理店は多いし、サボったとしても事業主は「運用調整で忙しかったんだね」と許してくれるケースが多い。

そのようなサボりを抑制し、改善アクションを常に回させるアクションを取る。

例えば、月間の広告文やクリエイティブの検証数をKPIにしてきちんと改善アクションを促す、等。

・定例資料の作成に時間がかかっていることを理解し、定例資料作成の簡素化に協力する。

定例資料作成は業務時間の中でも最も時間を要していることがわかった。

これはどの業界でも同じことが言えると思うが、個人的に、定例資料作成の為の分析に価値はあるが、紙をきれいにつくる為の作業自体に価値はないと思っている。

広告運用担当者の中には、後者の定例資料のデザインや体裁にこだわるあまり、前者の重要な分析フェーズに時間をかけない人もたくさん見てきた。

自分が事業主として広告代理店を使う場合は、体裁自体に価値はないことを伝え、定例資料の簡素化、ひいては分析時間の最大化に勤めようと感じた。

あくまでも中身が重要であり、評価基準であることを代理店担当者に伝えることで、より分析や改善アクションに時間を使ってもらえる。

終わり

興味本位ではじめた運用担当者の30日分析でしたが、いかがでしたでしょうか?

ちょっと示唆が少なくて、反省です。。

もっとこの点が気になる等あればいつでもコメントください。

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