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初頭効果と親近効果の違いは何?より記憶に残す心理効果の活用方法

第一印象にまつわる心理効果について、「初頭効果」と「親近効果」と呼ばれる2つの心理学でも用いられる用語があります。

ここでは、ビジネスや恋愛にも応用が可能な初頭効果と親近効果の違いについて、また具体的な活用例について、論文例などを交えながら紹介していきます。

この記事を最後まで読んでいただければ、初頭効果と親近効果の違いが分かるだけでなく、具体的にあなたの人生でどのように活用が出来るか?を理解いただけます。

最後までお付き合いいただければ幸いです。

初頭効果とは

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初頭効果」ですが、人間の第一印象を決める確率が高いという事を示す心理効果の事を言います。

「人は、3秒で相手の第一印象を持つ」

と言われていますが、まさにこの言葉は初頭効果を表す言葉ですが、初頭効果は物事や人に対して、最初に出てきた情報が、相手の印象や記憶に残りやすいのです。

親近効果とは

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一方で「親近効果」ですが、最後に与えられた情報こそ、その人の印象を決める事があるという心理効果の事を言います。

先程の初頭効果が、第一印象を決める心理効果だった事に対し、対になるのが親近効果になりますが、それぞれの違いを論文や実例を紹介しながら確認していきましょう。

初頭効果と親近効果の違いを論文より紹介

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それでは、初頭効果と親近効果それぞれの違いについて、論文などを引用しながら紹介していきます。

まずは、初頭効果についてですが、1946年に心理学者のソロモン・アッシュが提唱したものです。

ソロモン・アッシュの行った実験は、人の性格について形容した言葉の数々を順不同で羅列した文章以下の通り2種類用意しました。

1 明るい、素直、頼もしい、用心深い、短気、嫉妬深い

2 嫉妬深い、短気、用心深い、頼もしい、素直、明るい

この2つの文章ですが、5つの形容言葉が用意されていますが、それぞれの言葉は一緒ですが、それぞれの印象について確認したところ・・

多くの被験者が、1の方が「明るい人」という印象を持ち、逆に2の方が「嫉妬深い」という印象を持ったとの結果が出ました。

このように、同じ言葉の羅列が違うだけでも、人は印象が変わるように、初頭効果は「最初に与える印象は記憶に定着しやすい」という事が言えます。

続いて、親近効果についてですが、1976年にアメリカの心理学者N・H・アンダーソン氏が提唱した心理効果です。

アンダーソンの行った実験ですが、実際に起った事件をもとに、模擬裁判が有名です。

模擬裁判は「弁護側」や「検察側」の証言を6つ用意します。

それぞれの証言が出てくる順番によって、どんな結論が出るのか?を調査するのですが、最初は片方が2つ、そしてもう片方が2つと、それぞれ証言をしていき、交互に証言を繰り返す模擬裁判です。

弁護側からスタートした場合、流れとしては、

弁護側2証言→検事側2証言→弁護側2証言→検事側2証言→弁護側2証言→検事側2証言

となりますが、この場合は「検察側」が最後の証言となります。

次に、片方が6つ、片方が6つ証言を行うという流れを模擬裁判で行いました。

弁護側からスタートした場合、流れとしては、

弁護側6証言→検事側6証言

となりますので、「検察側」が最後の証言となります。

2つともの実験で検察側が最後の証言になったわけですが、陪審員の役割をもった被験者は、両者とも「検察側」を有利に判決を下しました。

この事から、アンダーソンは

「人はたくさんの情報を与えられたとき、最後に得た情報により影響されやすい傾向がある」

という結論づけて、親近効果を証明したのです。

初頭効果と親近効果を実例を用いながら紹介

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最後に、初頭効果と親近効果を実際に使った実例をそれぞれ紹介していきます。

例えば、プレゼンや営業トークにおける、初頭効果が効果を発揮しやすい状態ですが、

・提供する情報が並列であるもの

・相手の観察力が高い

・相手の関心が低い

3つの条件を満たす場合は、最初に情報を与えた方が頭に残りやすいと言われています。

情報が並列であるというのは、プレゼンや商品案内など、どの商品を購入しようか?と検討している横並びの状態という意味になります。

また、相手の観察力が高いというのは、情報を精査し、商品購入のメリット、デメリットの情報を知るという事です。

一方で、商品購入までは時間がかかり、あなたの商品やサービスに対して、まだ興味が無いという状況です。

これらの条件を満たす場合には、あなたの商品やサービスの魅力を先に伝えて、それらを裏付けるデータだったり、メリットを伝えるという形が良いとされています。

一方、プレゼンや営業トークにおける、親近効果が効果を発揮しやすい状態ですが、

・提供する情報が反対であるもの

・相手の観察力が低い

・相手の関心が高い

この3つの条件が満たされる場合には、最後に情報を伝えた方が、相手の印象に残りやすいと言われています。

1つ目の「情報が反対」についてですが、「●●だけど、××」という言い回しが可能なように、相反する情報を伝える場合に有効です。

「値段は高いけど、アフターフォローは他社に負けない」

といった、あなたの商品やサービスのポジショニングに使いやすい言葉です。

また、2つ目の「相手の観察力が低い」というのは、商品への注目はしていても、ライバルとの比較をしていないという状態です。

3つ目は、あなたとの関係性というところにですが、関心が高い状態、つまりあなたとの信頼関係が強い場合には、商品やサービスへの関心は高いです。

この3つの条件を満たす場合には、お楽しみは最後といった感じで、相手に印象づけたい言葉や情報を最後まで残しておく事が重要です。

いかがでしょうか?

初頭効果と親近効果それぞれの違いについて理解出来ましたでしょうか?

相手の印象は第一印象で決まりやすいのは事実ですし、第一印象が記憶に定着してしまうところもあります。

一方で、第一印象よりも、事実や意見が積み重なってきた場合には、最後に出てくる情報に信憑性が持たれる事もあります。

それぞれの心理効果は真逆の関係にありますので、その場その場に応じて使い分けするのが良いのでは無いでしょうか。

ビジネスや恋愛、マーケティングに対して、どうやって応用出来るのか?に関しては、

初頭効果という心理学をマーケティングに応用!親近効果やハロー効果との違いは何?

にて、詳しくまとめていますので、合わせてお読みいただければ幸いです。

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