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賃上げを実現するARL施策

物価高により、値上げされた品目は3万2395品におよび、2022年比較でも約7000品目以上の商品にて値上げがされた2023年。私たちの生活を支える賃金においても相次いで『賃上げ』が叫ばれ、賃上げ実施の有無によってさらに企業間格差が広がっていることを実感します。

そんな中で、この賃上げについて、日経の記事でこんな記事がありました。

賃上げを持続的に実現していくための要因と、それに対して労働者自身や働く環境がどうなっていくのが良いのかという事で、そのポイントが整理されています。枝葉という表現でいくと、AI活用、Reskilling(リスキリング)、多様人材の活躍(主に女性)の『L字カーブ』の改善。ということで、ARL施策と勝手に名づけました。

実際、企業内で議論される際も、さまざまな側面から改善施策が出ることもしばしば。全体的なポイントや要因整理のためにもぜひ上の日経の記事をお読みいただくのをオススメします。
わたしは、人材育成的な側面や働く環境の部分でトピックスとなっているキーワード達がどんな因果関係があるのか整理できました。

とはいえ、長い記事でもあるので、下記に少し整理しておきます。お時間ない方はこちらぜひお読みください。

賃上げを実現するには利益向上は必須

まず、大前提として、賃上げは物価上昇に沿って自動でされるわけではないです。そこには利益という、源泉が必ず必要になります。ここが結構勘違いではないんですけど、社員の皆さんではっきりと認識されていないケースもあり、いわゆる会社に依存している場合は、要注意です。利益向上のためには、そう『生産性』をどうやって上げていくのか。一般社員の皆さんができるのはこれに尽きると思います。

生産性の向上の2つの側面

生産性の向上というと労働時間削減的な側面で語られることが多く、クオリティの側面から付加価値をつけていくということはあまり議論されません。時間量的側面の方が既存データが出やすく、それに基づいた議論がしやすく、かつ、成果も数値で把握しやすい。ようはわかりやすいということが要因かなと思います。注意点としては、受注後の効率化にいくら注力して行っても、新たな活動をしていく事がなければ、受注量の全体が上がることはなく、減っていくパイの中で効率化を進めていく限界があり、結果、人が多いという話になっていく事が予想されます。

では、付加価値とはなんなのか。日経の記事では、タスクトランスフォーメーション=業務の高度化について、特に、企画、調査、分析、交渉といった抽象的なタスク(業務)が多くなると、賃金が上がりやすいということが書かれています。

このように量的、質的双方の側面からバランスよく、生産性を上げていくことが利益向上、そして賃金向上につながっていくわけですね。なるほど。

それでは、生産性向上をに重要なポイントとして

・(A) AIの活用
・(R) リスキリング
・(L) 多様な働き手

の3つについて以下、続きをどうぞ

業務の高度化を実現するAR

AIの活用
記事では、AIの導入如何によって、抽象的なタスクが多くなるといった因果関係が示されています。既存の業務はAIに移行し、付加価値の高い業務(=抽象的タスク)が増加し、生産性の向上、利益の向上、そして賃金の向上につながっているとされています。

私の業務は、抽象的タスクが多めなんですが(の割に賃金の上昇はそんなに、、)AIは既存業務の移行だけではなく、抽象的タスクの量質ともに効果があると実感しています。課題の把握のための要因整理、背景知識、概念理解、アイデアの壁打ちなど、まさに、企画、調査、分析分野で重宝しています。

リスキリング
リスキリングについては、みなさんご存知の通り、スキルアップに必要な学び直しです。他の記事で書かせていただいておりますので、ご興味あればそちらをみてみてください。


L字カーブと多様な働き方

L字カーブがなんなのかお恥ずかしながらあまりわかっていなかったので、この機会に調べました。
10〜20代にかけて急激に増加する女性の正規雇用比率が、25〜29歳に59%に到達し、その後下がっていくそれがL字のような形になっていることから、L字カーブ。
なぜ、L字カーブが生まれるのか。

・結婚、出産のタイミングでの離職
・会社の制度
・離職後の再就職が難しい

いづれも働く環境による要因が大きいと言えます。

女性だけでなく、多様な働き手が働きやすい環境が、労働力全体を底上げし、生産性や賃金上昇にもつながっていくはず。


賃上げを実現するためには、生産性を残業時間だけでなく、生産性の高い仕事をするという側面の実現も考えながら両輪で回していく必要がありそうですね。

文章にするとあっさりですが、なかなか大変。各社ごとの状況も違うので、一旦自社がどんな状況なのかの把握が第一歩ですね。
私もやってみます。

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