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【解説】移動平均線について

本日は初心に帰り、移動平均線について私の活用方法も交えて解説します。
みなさん、移動平均線の「算出方法」は知ってるけどSo what?を分かっていない方が多いと思います。

概観

移動平均線とは、平均値を時間経過で更新したものになります。
5日移動平均線なら、直近5日間の平均値で、毎日更新されます。
単純に足して割ったものは単純移動平均線(SMA)、直近の値を重視するものには指数平滑移動平均線(EMA)や、加重移動平均線(WMA)などがあります。どれがいいか、その理由については後述します。
また、移動平均線は、一般的に、終値を加算します。
5日SMAは、5日間の終値を足して5で割ったものです。

特徴

①過去のものであること

移動平均線は、過去の一定期間の平均値であるため、最新の状況を反映していません。
期間を短くすることで、直近のトレンドを反映しやすくすることができますが、極端な話、1SMAは最新のローソクの終値なので、5SMAよりも短いものを使う必要はないでしょう。
なお、1分足の5SMAは5分間の終値です。同じ5SMAでも、日足の5SMAとはその意味が異なってきます。
すなわち、短い時間足であるほど、短い移動平均線は効果が弱いです。分足なら100くらいのものを見たいところです。

②短い期間ほど有効性が下がること

5SMAより20SMA、20SMAより50SMA、50SMAより100SMA、100SMAより200SMAのほうが、通常、意識される価格帯として有効です。
極端な例を考えると分かりやすいですが、1SMAにISK(意識される価格帯)の効果はないでしょう。
短い方が直近のトレンドを反映することができますが、抵抗線・支持線にはなりにくいという意味です。

③終値が確定するまで変化すること

移動平均線は終値で決まるため、見ている時間足が確定するまでリアルタイムで変化します。
期間が短いほどこの影響が大きく、「5SMAの反発狙いでエントリー」ということは、厳密にはほぼ不可能です。
終値直前に移動平均線にタッチしている状況ならともかく、終値確定までまだ時間があれば、移動平均線の位置自体が変化します。気付いたらブレイクしていることもあるります。
他方で、200SMAなどは、その時間足の終値は1/200しか影響しないため、リアルタイムではほぼ変化しません。

ゴールデンクロスとデッドクロス

GCとは、短い期間の移動平均線が、長い期間の移動平均線を、下から上に抜くことです。
また、上から下に抜くことをDCと言います。
トレンドという言葉を使えば、GCは、「最近のトレンドは、それよりも長期的なトレンドに対して上昇傾向にある」という意味になります。
どうでしょう。この程度の傾向が見えただけでエントリーするのはおかしいですよね。
つまり、GCはエントリー根拠(買いシグナル)になりません。
活用するとすれば買いの準備シグナルですが、それももっと他に適切なものがあるでしょう。
特徴①で述べた通り、移動平均線は過去のものなので、エントリーには遅いのです。
遅いものと遅いものを組み合わせたGC・DCは、遅さの極みです。
ではトレードにおいてどう活用するのでしょう。

移動平均線の活用方法

私が活用しているのは、ISKの1つとして扱うことです。
支持線・抵抗線は、よく水平線やトレンドラインが使われますが、移動平均線も支持線・抵抗線になります。
例えば、現在価格より下側にある移動平均線に反発することを期待して買ったり、上側にある移動平均線をブレイクして買ったり、その逆のケースで売ったりということです。
グランビルの法則に近いものがありますが、グランビルの法則を意識せずとも、1つのISKとして見れば充分です。
※グランビルの法則については以下の動画をご視聴ください。

【メルカリ】分析からエントリーまで解説【グランビル】
https://youtu.be/mEQAONHKrII

移動平均線の設定

種類の選び方

冒頭で、移動平均線の種類がいくつかあるとお伝えしましたが、私は株ではSMAを使っています。
SMAを使用する理由は、ポピュラーだからです。
見る人が多ければ多いほど有効になるというのは、ISKの考え方の基本です。
なお、あくまでISKとして使うためで、移動平均線で「トレンドを見たい」場合は理論上EMAが向いていると思います。
でも、トレンドを見るなら、ローソク足を俯瞰すればよいでしょう。

期間の設定

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