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オンラインセミナー(ウェビナー)の終焉

HR系のSaaS型プロダクトを扱っています。顧客は主に企業の人事・総務部です。オンラインセミナーについてのメモを、AIに、島崎藤村の文体で筆をとってほしい、と頼んだ文章です。


かくも変わりゆく時代の中、オンラインセミナー(ウェビナー)という名の波が、人事総務という職を持つ者たちの世界を満たしている。

離職防止、リスキリング、エンゲージメント、採用ブランディング、成長企業の組織戦略、健康経営、人的資本時代、面接官トレーニング、1on1、休み方改革、次世代経営幹部育成、学生が選ぶ企業の魅力、バナーデザイン講座、CV爆上がりLP制作講座…これらのテーマにまつわる無数のセミナーが、無料の名のもとに続々と開催されている。

だが、その中で真にその知識を求める視聴者はいるのだろうか。多くは義務感に駆られて画面を見つめるものの、本当に心を向けている者は少ない。そもそも目を向けてもおらず、別タブで流してラジオ状態にある。あそこの参加者はイヤホンすらしていないと思われる。

特にライブ配信は、タイパと呼ばれる世の中にはそぐわず、後日見逃し配信があることも顧客は知っている。だが、それすらもろくに見られず、頭に残らない。

流してはいるが見てない


真に興味をそそるウェビナーならば、さておき。
多くは「マーケットトレンド×あるべきソリューション×事例×サービス紹介」という型にはまった構成で、新たなる学びや感動を人に与えることは実に稀。

人の感想はしばしば「ありきたり」「既に知っていた」「大手企業は恵まれているな」「それで明日から何をすればよいのか」といった具合である。

また、カット割りやアングル、テロップ表示などにこだわった情報番組風のスタイルならまだしも、スペシャル対談と銘打ちながらも、見慣れたzoom画面上のワイプ内でトークが始まれば、視聴意欲は一気に削げ落ちる。

確かにウェビナーによってホットな案件が生まれ受注に至ることもある。しかし、もしウェビナーを廃し、同じ内容をWEBやnote記事で仕立てたとしても、年間のリード獲得と受注の数に変わりはないのではないか。サービスへの興味やブランド力をみても結果は同じであるように感じる。もっと言えば相手は突発的な業務が発生しやすい人事・総務・労務・採用の担当者であるため、後者の方がパフォーマンスが良いのではないかと思われる。

そもそもブランディングとは他社との差別化を図るマーケティングの策であり、似たり寄ったりのウェビナーが並ぶ中で、ウェビナーだけの価値、あるいはウェビナーを定期開催していることへの価値を見出すことはもう無理なのではないかと思う。

もちろん、ウェビナーは学びを提供する手段でありながら、同時にインサイドセールス的な名簿獲得のためのマーケティング方法でもある。そのこと自体に問題はないが、真にニーズがあれば、潜在顧客は該当キーワードで探し、辿り着いてくれるのではないか。

いや、その一歩を後押し、きっかけを創出するのがインサイドセールスであり、そのための材料がウェビナーであるーー
と言われればそれまでだが、よほどニーズにピンポイントに当てにいかなければ、ウェビナーとインサイドセールスにかけた労力は見合わぬのでは。

確かにWEB記事を1つ2つメールで送りつけて架電するよりは、ウェビナーの予約者や視聴者へのアプローチの方が、インサイドセールスとしての重み付けがされているかもしれない。

しかし、乱立するウェビナーの視聴後の顧客体験価値は、やがて「WEB記事を閲覧した程度」になっていくだろう。

オープンなWEB記事化によって個人情報が取得できないという意見もあるが、今知りたい情報を提供できる、あるいはいつでも置いてあり、どこから読んでも構わないという態度やプラットホームが、これからは重要ではないか。

こちらが手をかけずとも、ニーズを少しでも満たすコンテンツであれば、自ずと顧客は引き付けられ、育まれていくことを期待したい。

楽をしたいという願望は、時に最も効果的な手段をもたらしてくれる。上記の思考が浅はかであろうと、すべて誤っていようとも、もうそう思い込んでしまった以上、戻ることはできないでいる。 


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