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際限無き人間の欲求の終着点とその先の世界を見た

僕の2020年はぎっくり腰からスタートしました。

すでに4回目、対処法や治療法はすでに手慣れたものですが、痛みへの耐性ができるわけでもなく、年明けから約10日ほど、ほぼ寝たきりで過ごしてました。

寝ることは苦痛ではない気質ですが、さすがに寝たきりだと精神がだいぶ滅入ってしまい、いろんな現実逃避をしたお正月でしたw
ホバーバイクで空飛んだり、古代遺跡の謎を解いたり面白い夢はいっぱい見てました・・・

そんな受難の2020年初の投稿は、リレーションシップ・マーケティング、サービス・マーケティングがテーマです。


●ONE to ONEマーケティング―顧客リレーションシップ戦略

●顧客はサービスを買っている

●顧客の信頼を勝ちとる18の法則-アドボカシー・マーケティング

どれも10年以上前のものですが今読んでも古さを感じさせない名著です。


対面販売とONE to ONEマーケティング

20代前半、まだインターネットもそこまで進化していなかった時代に初めて車を買おうと思い立ち、検討用の情報収集として、ディーラーに行って「パンフレット」を集めるとこからスタートしてました。

ほしい車が明確であれば、お目当ての車を取り扱っているディーラーに直接問い合わせれば済む話なのですが、当時そこまで車の知識のなかった僕は、チャリで近所のディーラーを周って調べてました。

各ディーラーの営業さんたちは、20代の若造にとても親切に対応してくれ、こちらの要望を拾おうと、いろんな質問をしてきます。
これといったニーズの無い僕は、その会話の繰り返しの中からなんとなく欲しい車のイメージが固まって、最終的に購入に至りました。

多分僕が初めて体験した「ONE to ONEマーケティング」は、多分この時です。


その後インターネットが普及したことで、車のような高価な耐久財が主戦場の「顧客のニーズを聞いて口説いていく対面販売」の手法は、一般消費財にもそのステージを変えていきます。

WEBマーケティングは進歩の階段を凄い速度で登りはじめ、企業はこぞって「ECサイト」を作り、それまで人力で少数相手に行っていた、莫大な人的リソースが必要な「お客様にとってもオススメですよ!?」というコミュニケーション手法を、「リタゲ」「レコメンデーション」などの技術をもとに、
低コストでONE to ONEのアプローチができるようになったんですね。


この「ONE to ONEマーケティング」の著書が発売されたのが、1995年、阪神淡路大震災の年です。まだインターネットはそこまで普及していない時代です。
今の人は違和感を感じるでしょうが、当時はFAXとか電話で何でもできるとガチで思ってたので、顧客獲得、市場シェア獲得を目的としたマス・マーケティングから、顧客維持、顧客シェア(LTV)を目的としたマーケティングに変遷すると予測してた本著、この先見性はすごいです。未来人?w

LTVの概念だけでなくECの発達や、顧客との協働、プライバシー情報についてなども触れており、予測の精度が半端ない。
やっぱり未来人?w

テクノロジーの進化は情報流通経路の進化も促し、その形に合わせて世の様々な仕組みも変化していく、予め決められた未来に人間が追従しているだけなんじゃないか、だとしたら地球滅亡とかも空想ではないのでは、とかまで思っちゃいます。

しかし昨今の個人データ乱用によってGDPRなどの規制が行われてしまい、「行き過ぎたONE to ONE」は別のステージへとシフトしていく兆しがでています。

Googleも情報提供止めたりしてますしね。


モノからコトへ

「顧客はサービスを買っている」ということはどういうことかというと、
次回のテーマでもある「サービス・ドミナント・ロジック」にも通じる部分ですが、

「購買行動は、物自体がほしいのではなく、物を消費・使用することで得られるベネフィットや、セルフイメージ向上・社会的なつながりなどの体験・経験を買っている。」

これが「サービスを買う」ということなのかな、と思います。

本著ではサービスのタイプを大きく3つに分類しており、

・モノ提供サービス
・情報提供サービス
・快適提供サービス

となっています。

世にモノが溢れ、どれを選んでも機能的に大差が無い現代には「サービス品質」にもモノの価値の一部になるという考え方です。

これも今の時代「当たり前」になってしまったことですが、このサービス優位性を構築するために莫大なコストがかかってしまっている状況は、本当に正しい道なのか、ちょっと疑問に思ってしまいますね。

そんな中、もう一冊の著書にあった「アドボカシー・マーケティング」

・消費者の視点にたったマーケティング
・誠意、正直な対応

ということを、「本当の意味で顧客側に立つ」とはどういうことか、様々な事例を元に紹介してくれています。

アドボケイト(アドボカシー)とは、「あなたのことが大好きで、他人にもあなたのことを積極的に薦めてくれる人」のことを言いますが、今では多くの企業が導入している「推奨意向」の元となってる考え方ですね。

一方的なコミュニケーションでは信頼関係は築けません。これは当たり前のようでなかなか難しい考え方ですが、すべての真理でもある気がします。


まとめ

ONE to ONEマーケティング
サービス・マーケティング
アドボカシー・マーケティング

これらすべてに共通している考え方は、

「顧客の視点に立ち、ニーズを拾った、品質の高いサービス」を提供しよう、いわゆる丁寧な仕事をするマーケティングを行おう、ということかなと思います。

顧客の欲求に応えていきたいという、企業の努力の賜物ですよね。

とはいえこれからの未来は、労働人口が減り、リソースが不足していく世界になっていくので、丁寧な対応がやりきれない環境になっていくのがそこまで来ているので、

過剰なサービスの提供ではなく、ユーザーと共にサービスを作っていくこと、いわゆる「共創」の考え方が、今後はとても重要になっていくと思います。

次回のテーマそんな共創、サービス・ドミナント・ロジックです。

そして今回の学びは、「際限無き人間の欲求の終着点とその先の世界」を考えさせられる内容でした。

僕らはこのままで良いのかな・・・?


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