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ホワイトすぎる職場は社員のモチベーションを下げるのか?

先日ネットニュースで気になる調査結果をみました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/52835402edea9f096e7966c45cece39aff7a4375


一応は在京テレビ局のニュースなのでいい加減なネット記事ではないという前提で考えますが、経営者や管理職にとっては、これまた非常に悩ましい調査結果とも思えます。
現在の社会情勢や潮流、人々の意識の変化に合わせて、企業側はホワイト化を進めたわけですが、それに対して今度は社員側から不満が生じているというのです。
はてさて、経営者はこうした結果に対してどのように向き合うのがいいのでしょうか?

ゆるい職場ではダメなのか?

記事中の動画の中で「現在の職場をゆるいと感じるか?」という設問に対して、約3分の1以上が「あてはまる」と回答したとあります。
この場合の「ゆるい」が果たしてネガティブなのかポジティブなのかは分かりません。人によってはその「ゆるさ」を良い職場と受け止めている場合もあると思います。

因みに私は前職時代に自社のことを「悪く言えば”ぬるい”会社」と表現していました。
緊張感や競争心優位の張り詰めた空気感はなく、それぞれのペースで楽しく仕事ができる組織作りに注力していたので、人によっては「ぬるい」とネガティブに感じるだろうな、と思っていたからです。おそらくこの「ぬるい」は「ゆるい」と同じような定義になろうかと思います。

しかし実際には「もっと厳しい環境でスキルアップしたい」という理由で転職していった社員がいたことも確かで、これはある意味「人それぞれ」というか、各人の価値観によって働く職場を選べる時代になったのだとも言えます。

私自身は「ゆるい」職場を好む気質だったのもあり、そのような職場を作りました。そしてその空気に働きやすさを感じた人が残り、感じなかった人は去った。私はそれこそがよい社会だなと思います。

前職の会社でいえば、その「ゆるい」社風だからこそ、会社は成長し売上も利益も上げることができたと私は思っていますし、その社風だからこそ、能力を高め発揮した社員も多くいたとも感じています。

厳しい環境で自分は成長したいという人は、厳しい職場を選べる。
おだやかな環境でこそ自分の能力を発揮できるという人は、おだやかな「ゆるい」環境を選べる。
社員として実際に採用されるかはさておき、自らの意志で選ぶことが可能になってきているということは、社会の変化として歓迎してよい流れだと私は考えます。

「ゆるい」か「厳しか」という判断軸


会社は業績を上げて利益を最大化することを目的としています。
そのための手段のひとつとしてどのような社風、どのような職場環境を作るのかを考えます。
そうした熟考の結果、「厳しい」を選ぶ経営者もいれば、「ゆるい」を選ぶ経営者がいる。
どちらもそれぞれに会社の目的を果たすための選択なので、結果として利益を最大化できれば正しい選択をしたことになるはずです。

言い換えれば、「ゆるい」か「厳しい」かは会社の目的を果たす判断軸として対立軸になり得ないのだと私は思います。
厳しさを求めた会社が必ずしも成功するわけではないし、逆もしかりです。
ひとつの要素ではありますが、それが社の命運を分ける観点ではないと思います。

「ゆるい」「厳しい」を判断軸に考えるのであれば、それを活かすのは前述したように採用、または就職に関わることだと私は考えます。
新卒であれ中途であれ、採用する限りは自社で能力を発揮できる人材を取りたいわけです。能力の高低やポテンシャルの有無といった観点も必要ですが、会社に「馴染む」かどうかというのも観点としては大切です。職場の空気感は、人が能力を発揮する上で非常に大きな要素です。どんなに能力があっても、その役割りを担っていたとしても、空気感に馴染めないことで、能力を発揮できないというケースは珍しくないと思います。
そしてこれもまた逆はしかりで、能力的には充分ではなかったとしても、会社に馴染めることで、成果を上げられる人もいます。チームワークや顧客との相性、人間関係の安定度が能力不足を補うことで、成果に繋がり、そしてやがて能力そのものも上がってくる。そんなケースもあるのです。

私の考えとしては、会社の良さは「ゆるい」「厳しい」という判断軸で考えるよりも、その会社が求める人材像を理解し、自分に合う職場、自社に合う人材を選ぶことが重要です。
「ゆるい」会社がダメなら、やはり「厳しい」会社に社風を変えよう、という安易な思考にならないことを願うものであります。


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