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『思想をRethinkせよ』より

本日は、NewsPicksのYouTubeチャンネルで2020年11月に公開されている『思想をRethinkせよ』~社会学者・宮台真司氏と経営コンサルタント・波頭亮氏(進行は佐々木紀彦氏)の対談動画からの学びです。

哲学や思想の知識に乏しい私には結構手強い内容だったので、何回も観返して二人の会話(特に宮台氏の考え)を正しく理解しようと意識した動画でした。今回ひょんなことから久々に観直す機会を得たので、学びのメモを残します。この記事はこれから先、何度もリライトすることになるでしょう。

主意主義・主知主義

主知主義=intellectualの対立概念には、主意主義=voluntalismがあります。主知主義は、「システムが、制度が、社会が、ちゃんとすれば、人は幸せになる」というIf-then的な考え方です。それに対して主意主義は、「社会がちゃんとしていても人は幸せになれないどころか、社会に依存すればするほど人は幸せから遠ざかる」という考え方です。

マックスウェーバー

宮台氏も波頭氏も、マックス・ウェーバーの洞察力を高く評価します。宮台氏は、自身が好んで使う激烈なことば、"クソ社会"はウェーバーのいう「鉄の檻」、"クズ"はウェーバーの「没主体」の言い換えなのだといいます。

近代化=合理化=計算可能化です。物事を計算可能化することで、予測可能性が上がると、あらゆる部門への資本投下が進み、複雑な社会が営めます。そして、この出来上がった複雑な社会が適正に運営されるために、官僚主義が浸透していく。これは必然の流れなのであって、進歩と生産性の向上の最大の原動力になっている、と言います。

しかし、ウェーバーは、そのことによる副作用もきちんと見通していたことが天才的だと、二人は同意します。副作用とは、計算可能性に最適な人間(=クズ)ばかりになると、システム化に囚われたクソ社会化が進み、その泥沼から逃れられなくなる、ということです。

保守主義≠新自由主義(ネオリベ)

良き記憶があるのが保守主義だが、記憶を閉ざして未来だけを視ているのが、新自由主義(ネオリベ)の特徴と考えられます。波頭氏は、経済政策だけがネオリベ化していると考えていると言っています。

戦慄の加速主義

宮台氏は、日本はもはや歯止めがかからないので、落ちる所まで落ちてボロボロになった方がいいという意見です。完全に社会が破壊された後に何かが台頭する。もうその瀬戸際のワンチャンに期待するしか、建て直しようがない、という見解のように見受けられます。

加速主義の旗手はピーター・ティール(Peter Thiel 1967/10/11- )です。クズ人間の作った法律や制度で社会変革はできない、制度での社会変革は無理だが、技術による社会変革は可能という立場です。

そうなると、人はテクノロジーの奴隷になりそうです。

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