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『イエスタデイ』を観る

最近気になっていた映画『イエスタデイ』を、妻と一緒に観て来たので感想文を残します。

あらすじ

主人公は、イギリスのサフォークという小さな町で、売れないシンガーソングライターをやっているジャック・マリック(ヒメーシュ・パテル)という男です。幼馴染の女友だち、エリー(リリー・ジェイムズ)はじめ温かい友人たちに囲まれてはいるものの、ミュージシャンとしての成功は夢のまた夢の状態が続いています。

あるフェスでの公演も不発に終わり、ミュージシャンとしての先行きに絶望を感じながら自転車で帰宅途中だった夜、突然、世界中で謎の大停電が発生します。真っ暗闇の交差点で、ジャックはバスに撥ね飛ばされ、救急病院に運ばれることになります。

奇跡的に前歯を二本折る程度の軽傷で済みます。退院の日、回帰祝いに友人達からプレゼントされたギターでビートルズの『イエスタデイ』を弾き語りしたところ、仲間の誰もがビートルズも、『イエスタデイ』も知らないことに気付きます。不審に思い、インターネットで情報検索しても、ビートルズの存在を示す情報は全くヒットしません。(ローリング・ストーンズは存在している)あの誰もが知る筈のビートルズが世の中に存在していない! という事実に驚く、ジャック。

ジャックが記憶を頼りにビートルズの曲を次々と自分のオリジナルソングとして演奏していると、その楽曲がじわじわと話題を呼びます。地元のラジオ局に出演した際の生演奏をたまたま聴いていた、超人気ミュージシャン、エド・シーラン(エド・シーラン本人が演じている。彼は舞台のサフォーク在住の模様)が電話をかけてきて、家に訪ねて来ます。

彼のツアーのオープニングアクトを任されることになると、楽曲がたちまち話題を呼ぶことになります。エドから持ち掛けられた即興の曲作り対決では『ロング・アンド・ワインディングロード』を披露して、関係者を虜にします。エドは完敗を認め、「君の才能に脱帽した、時代は変わった」と言わせます。

ジャックの才能に目をつけたエドの辣腕マネージャー(ケイト・マッキノン)の手引きで、メジャーデビューの話が進んでいきます。待ち望んでいた成功を手にして満足感に浸る一方、自分ではコントロールできない状況の中で疎遠になっていくエリーとの関係、自分の生み出したわけではない作品を使って、成功の階段を登っていくことに葛藤を感じはじめます‥

所感

『ボヘミアンラプソディ』の時もクイーンの楽曲の素晴らしさを感じましたが、この『イエスタディ』でもビートルズの残した楽曲は素晴らしいというのが第一印象でした。最終的にはジャックとエリーのラブストーリーに落ち着くのですが、要所でビートルズの名曲がきちんとアクセントになっています。そのストーリー展開は強引じゃないか、って思ったところもありましたが、個々のエピソードは丁寧に作ってあります。

ジャックが、ビートルズの故郷リバプールを訪れるシーンでは、ビートルズにゆかりの場所が楽しめますし、パロディのようなシーンもちょくちょく盛り込まれています。ビートルズの熱心な愛好家にも楽しめる映画ではないかと思います。クライマックスのライブシーンはかなり拘った映像です。

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