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答え合わせしておく

本日は、四年前に書いた自分のnote記事を読み返して、本日迄の歩みと照らし合わして、2023年時点での答え合わせしておきます。Mr. Childrenの2010年発売のアルバム『SENSE』に収録されている『Prelude』を聴きながらの検証作業です。

置かれた境遇に苛立っていた時期

2019年は、私が会社員を卒業した年ですが、この記事を書いている1月の時点で、会社を辞める決断は下していなかったと記憶しています。かなり抑制された書きぶりに調整されてはいるものの、この日は相当にイラついていたのだと想像します。私は、記事投稿後に読み返して、気に入らない所や不適切な表現があれば、頻繁に書き直しをして再投稿しているので、この記事にも何度か手を入れている筈ですが、随所に当時の焦燥感や苛立ちの形跡が読み取れます。

当時の私には、会社の仕事や業務について気軽に相談できる相手が誰一人おらず、孤独感と疎外感を募らせて日々を過ごしていました。誰も自分の手掛けている仕事の価値を理解(評価)してくれない、誰も自分の立場を気遣ってくれない、と頑なになり、独り善がりの不満を積もらせていたことは間違いありません。

会社員は雇われの身なのですから、個人のミスではない組織の不適切行為や業績不振に際しても、責任感を以て対処したり、誠心誠意頭を下げたり、改善に尽力したりするのが当たり前です。しかし当時の私は、そういう会社員ゆえの宿命を酷く苦痛に感じていました。不本意な境遇や処遇を自分の力で覆す程の能力も意欲もなく、ゆっくりと悪循環していたようです。

一方で、会社の外の世界に光を求めていたことも間違いありません。長年会社員でしか稼いだことのない人間が、会社を辞めてやっていくのは簡単ではない、そんな甘い世界ではない、ことは痛い程理解していましたが、「このまま燻って現状肯定で生きるのは人生が勿体ない」「やってみないとわからない、やってから後悔した方がまし」とポジティブにリスクを取ることに心が傾いていた頃だと思います。既に自力である程度のセーフティ・ネットは張った、経済的には逃げ切り体制を固めた、という自信もありました。

なので、自分が納得できる場所で全力疾走できる場を切望していた、と想像します。

四年の月日が変えたもの

四年の月日が変えたもの……

身を置く境遇は大きく変化しました。会社を辞めたことは、一ミリも後悔していません。世の中をコロナ禍が襲うなんて、当時は想像もしていませんでした。信州にやってくることも、完全に想定外です。それでも、概ね思い描いた理想的状況の近くに、現在は落ち着いている気はしています。

「スロットル全開で飛ばしたい」という当時の衝動は、すっかり薄れてしまいました。結局、この四年間、何かに絞って全力投球したのか? と問われると、甚だ懐疑的です。薄々わかってはいたことでしたが、熱い気持ちは持続するのが難しかったです。やりたいことや興味のあることは、次々に目移りしますし、集中力も根気も生産性も確実に落ちています。すぐにマイナス要素に目がいってしまいます。

私は、自分の人間性に自信がなく、人間関係で苦労することを徹底的に避けたい性分なので、誰かに頼ったり、任せたりと人付き合いで冒険することには消極的な四年間でした。自分が想像していた以上に手厚い安全地帯を用意しておく必要がある…… というのが、人生後半戦をしたたかに泳ぎ切るための教訓です。

戦略ミスは多数あります。行動力不足、反省点、改善点も無数にあります。それら含めて人生だと思うことにします。新テーマである『照干一隅(しょうかんいちぐう)』を胸に、着実に歩んでいければ幸せです。

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