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良い記憶だけを残す技術

幸福な少年時代

「幸福な少年時代でした!」

子どもの頃を聞かれたら自信をもってそう答えます。思い出すのは圧倒的に楽しかったことばかりなのです。少年時代の私は、

● 両親からも、祖父母からも、自分が愛されていると感じていました。
● 友人に恵まれていました。
● 学校は楽しい場所で、きちんと通いました。
● 自分の将来には無限の可能性があると疑っていませんでした。
● やりたいこと、なりたいものは次から次へと思い浮かびました。
● 手掛けたことは絶対に成し遂げようという負けず嫌いな性格でした。
● 出来ないことを出来るようになるための努力は惜しみませんでした。

私の記憶には妄想と誇張が加味されていて、おそらく事実とは異なっています。自信家だったので、私のことをよく思わない子もいた筈です。権威に反抗的な態度を取って、学校に行くのが嫌だった時だってあったかもしれません。一歩間違えば、ダークサイドに堕ちていた可能性だってあります。

なのに、過去は美化されて今の私の脳には、幸せだったという記憶だけが残されています。辛かったこと、思い悩んだこと、挫折したこと、心に刻み付けておかなければならない痛みが綺麗に忘れ去られています。

嫌な記憶は忘れ去るもの

私は、嫌な記憶を綺麗に忘れ去る技術を、努力して身に付けていきました。天性の素質もあるかもしれません。記憶のすり換えが苦も無く簡単にできてしまう能力は、悪用すると平気で嘘をついてそれを正当化する行動につながる怖さはあります。

メンタルが弱く、辛い現実に耐える心の強靭さを持たない私が、自分を守り、コアの部分が変にねじ曲がらない為には、記憶のすり替えは必要な技術だったのだと思っています。生き抜く為に必要な技術だったのです。

私は自分にとって都合の悪い記憶を忘れることで自我が崩壊するのを救ってきました。その取り組みは今も続いていて、失敗や恥をかいた経験を咀嚼して、いいように解釈するスキルは年々高くなっている自信があります。

不安になるのは情報不足

不安が高まるのは、どうしていいかわからないから… つまり情報が足りないからです。落ち込むことがあっても、短時間で立ち直ることができるようになったのは、早く立て直したい、気持ちを切り替えたい、と思って、その為の方法を意識して学び、経験を積んだからです。自分の中に情報量が蓄積され、対処方法の引き出しが増えたお蔭です。

不安を感じたら、徹底的に情報を集めて、現実を知り、消化することです。自分の見立てが間違っていたことを知り、似たような境遇を経験した人から学べば、悩みや不安は軽減できます。一種の錯覚させる技術です。嫌なことや不安は、ひとしきり反省したら酒を飲んで忘れるのが得策です。

成功者が、負の生い立ちや経験を語れるのは、それが今は克服された問題だからです。穿った見方かもしれませんが、自らの境遇に共感してもらい、自分のブランディングに繋げるマーケテイング手法です。マイナス現象ばかりに拘泥し続けていると、ネガティブ思考に支配されて、気持ちが追い込まれていきます。たとえ、自分が恵まれないと感じる境遇にいても、それを良いように解釈して、前向きに暮らす方向にこの技術を使った方がいいですね。


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