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『Fifty's Map~おとなの地図』を聴く

今朝九州に上陸した台風10号はジョギング程度のスピードで日本列島を縦断する予想となっており、各地に被害をもたらしそうで不安です。

先日来、私の生活の中に何度目かのMr.Childrenブームが到来しており、『CROSS ROAD』(1993)~『くるみ』(2003)~『Fifty's Map~おとなの地図』(2023)をヘヴィ・ローテーションで聴き続けています。職場での単調な資料作成作業中も頭の中でぐるぐる鳴り響いています。本日は、その『Fifty's Map~おとなの地図』について思うことを書いていきます。

最近まで知らなかった

『Fifty's Map ~おとなの地図』は、2023年10月4日にリリースされた、Mr.Childrenの通算23作目のアルバム『miss you』に収録されている一曲です。彼らは、現在全国ツアーの真っ最中です。

このアルバム、実は最近までリリースされていたことすら知りませんでした。否、どこかで目にしたり、耳にしたりしていたのかもしれませんが、私のアンテナにはまったく引っ掛かっていませんでした。

実は、私はベスト盤以外のMr.Childrenのアルバムを一枚も持っていません。彼らの主要な楽曲は概ね押さえているつもりですが、ベスト盤は横浜の自宅にあるので、聴きたくなった時は、YouTubeやSpotifyで聴きます。およそ、彼らのファンと言えるレベルには達しておらず、持っている知識は皮相かつ浅薄なものに過ぎません。それでも、熱くなってつい語りたくなってしまう魅力が彼らの楽曲にはあるように思います。

共感しかなかった歌詞

さて、この曲の歌詞は、同世代である私には共感しかないものでした。取り上げて噛み締めたい箇所が幾つもあります。長年の金属疲労によってくたびれ果てた中年男である私の為に歌ってくれているのではないか…… と錯覚するほどです。

Mr.Childrenの多くの曲からは、「誰も置いてけぼりにはしない」「あなたのそばにいる」という気持ちを感じます。それは、同じ国民的バンドの楽曲でも、サザンオールスターズやドリームズ・カム・トゥルー、GLAYなどからは感じないものです。

納得のエンディング

この曲のプロモーションビデオの大半は、名曲『くるみ』のプロモーションビデオからの抜粋で作られています。

見せ場は、エンディングの部分です。中年バンド、MR.ADULTSのボーカル兼ギターの男がくしゃくしゃにして投げ捨てる紙屑を拾い上げるのは、今回も桜井さんです。Fifty's Mapに✕、くるみに〇と書かれた紙片をしばし眺め、半分に折り畳んで微笑するまでは『くるみ』のシーンと同じです。しかし、今の彼は年齢を重ねています。

『くるみ』の時には、夕暮れに染まる川沿いの道を前へと歩いていくMR.ADULTSの面々とは逆の方向(画面左手)に向かって歩いていきましたが、今回の桜井さんはそのまま前(画面右手)へと進んでいきます。そして、右後方からのカメラに切り替わると、夕暮れが美しく照らす道の少し前を、Mr.Childrenの他のメンバーが歩いている…… という心憎い情景が映し出されてエンディングとなります。初めて観た時には、唸りました!

このシーンから、彼らの控え目な決意を感じました。彼らはまだまだ自分たちの信じる道を歩き続けるのでしょう。

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