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第70回全国高校駅伝備忘録

本日無事に51歳と214日目、無職34日目を迎えることが出来ました。感謝!

昨日(12/22)は、師走の京都で男女の高校駅伝が開催され、優勝候補の仙台育英高校(宮城)が男女アベック優勝を飾りました。今年は昼間に予定があり、ライブでのTV観戦はできませんでしたが、予選を勝ち抜いた58チームが挑んだ男子第70回記念大会を振り返ります。

第1区10km(たけびしスタジアム京都~烏丸鞍馬口)

高校長距離界のトップランナーが顔を揃える花の1区10㎞。

昨年の大会で区間賞を獲得した白鳥選手(埼玉栄)、2位の佐藤選手(八千代松陰)、5位の児玉選手(鎌倉学園)、9位の三浦選手(洛南)など、2年生ながら上位を占めた選手達が3年生になって再び顔を揃えました。外国人留学生の起用が禁止された2008年以来、その年の高校長距離界の王者を決める「花の1区」になっています。

「タイムを狙う」という佐藤選手がレース序盤から積極的に先頭を引っ張ります。中盤を過ぎると、優勝候補の一角、世羅の倉本選手、有力とみられた白鳥選手、三浦選手が先頭集団から遅れ始め、今季5000m日本人最高記録を持つ東京農大二の石田選手も後半のスピードアップで振り落とされていきます。終始レースを牽引しながら、最後までスピードが落ちなかった佐藤選手が28分48秒の歴代日本人最高記録で見事区間賞を獲得しました。

優勝候補に挙げられていたチームでは、2秒差の2位で学法石川の松山選手が続き、二連覇を目指す倉敷の石原選手が8秒差の5位、仙台育英の10000m28分台ランナー、喜早選手が10秒差の6位、佐久長聖の鈴木選手が11秒差の7位とトップから射程圏内で中継しました。難コースとして知られ、過去1名しかいなかった28分台で7名が走破するハイレベルな1区となりました。

区間賞 28分48秒 佐藤一世(八千代松陰)

第2区3km(烏丸鞍馬口~丸太町河原町)   

2区は下り基調の短い3km。スピード自慢の選手が起用されます。

2位で襷を受けた5000m13分台(高校1年歴代2位)の記録を持つ学法石川の山口選手が、先行する八千代松陰・石井選手に程なく並び掛けます。

しばらく二人の先頭争いが続いたものの、2kmを過ぎてから石井選手が突き放し、八千代松陰が首位を死守しました。2位は2秒差で粘った学法石川。区間賞の力走をみせた仙台育英、佐久長聖が3、4位に上がってきました。

区間賞 8分7秒 白井 勇佑(仙台育英)、越陽汰(佐久長聖)、佐藤圭汰(洛南)

第3区8.1075km(丸太町河原町~国際会館前)   

3区は、アップダウンのある上り基調の8.1075km。力のある留学生ランナーの爆走でチームの順位変動が激しい区間です。

この3区には昨年も区間賞を獲得しており、超高校級の走力を持つ倉敷のキプラガット選手が登場しました。5位で襷を受けると、桁違いのスピードで先行する実力者の仙台育英・吉居(大)選手、八千代松陰・石井選手を2km手前であっさり逆転。あとは独走となり、距離を踏むごとに後続との差をぐんぐん広げていきます。

倉敷との差を30〜40秒にとどめたいという優勝候補各校の思惑をよそに、キプラガット選手は、区間記録に迫る22分44秒で快走し、2位を死守した八千代松陰に58秒差をつけました。3位は仙台育英、4位は地区大会代表ながら大健闘の伝統校、九州学院。1区で大きく出遅れた世羅が中野選手の力走で17位まで盛り返してきました。

区間賞 22分44秒 フィレモン・キプラガット(倉敷)

第4区8.0875km(国際会館前~丸太町寺町)   

3区を逆走する全体的に下り基調の4区8.0875㎞。スピード自慢の準エースが集います。

首位をいく倉敷は昨年の優勝メンバー寺元選手が区間14位ながら、手堅く走りがっちりと首位をキープ。2位はキャプテン菊地選手が粘り強く走った仙台育英、3位は八千代松陰、4位には佐久長聖が上がってきました。

入賞圏内の順位変動は激しく、初出場の自由が丘(福岡)が、松並選手の区間賞の力走で14位から8位に、東京農大二が16位から10位に、宮崎日大が18位から11位にそれぞれジャンプアップ。昨年区間タイ記録をマークし、追い上げが期待された世羅のムワニキ選手は区間8位に終わり、チームを15位に押し上げるにとどまりました。

区間賞 22分55秒 松並 昴勢(自由が丘)

第5区3km(丸太町寺町~烏丸紫明)  

上り基調の短い3km。常識的にはチーム7番目の選手が受け持つ区間ながら、優勝候補に挙げられるチームは、3㎞区間にも5000m14分台前半の持ちタイムを持つ好ランナーを起用してきます。

逃げる倉敷は3年生の奥野選手が区間13位で走り、2位の仙台育英とは48秒差を保って首位を守りました。3位には佐久長聖が上がり、4位に九州学院、5位に学法石川。前半健闘の八千代松陰はここで7位まで後退しました。

区間賞 8分36秒 上仮屋 雄太(須磨学園)

第6区5km(烏丸紫明~西大路下立売)   

近年勝負の行方を占う重要区間になっている6区。前半の3㎞は上って、残りを一気に下る難しいコースで、近年は1区を走ってもおかしくないような走力を持つ実力者が起用されるケースも散見されます。

首位を淡々と走る倉敷の石井選手に対し、絶好調という2位の仙台育英、ディラング選手が、後半の下りでぐんぐん追い上げ、中継点では5秒差まで詰め寄る殊勲の走り。従来の区間記録を更新する新記録で区間賞を獲得しました。後方では、チームを13位から8位に押し上げた宮崎日大の城戸選手も区間2位ながら区間新記録を達成しました。6区終了時点で、3位の佐久長聖とは30秒以上の差がつき、優勝争いは2校に絞られた感じです。

区間賞 14分6秒(区間新) ムチリ ディラング(仙台育英)

第7区5km(西大路下立売~たけびしスタジアム京都)

最終7区はやや下りの5km。トラック勝負も想定してラストの斬れ味があるスピードランナーが起用される傾向にあります。

襷を受けてからすぐに仙台育英のアンカー、吉居(駿)選手が、先行する倉敷、長塩選手に追いつき、二人のマッチレースとなります。互いに譲らないまま競技場のトラック勝負となり、ラスト150mからスパートした吉居(駿)選手が3秒差で振り切り、仙台育英が12年ぶりの優勝を果たしました。

ゴールタイムは2時間1分32秒と世羅が持つ高校最高記録(2時間1分18秒)に迫る好タイムでした。ラストスパート合戦に敗れた2位の倉敷は惜しくも二連覇ならず。3位は佐久長聖、4位は九州学院、5位は学法石川。8位の東京農大二のタイムでも2時間3分00秒とハイレベルな争いでした。

区間賞 14分8秒 小牧 波亜土(洛南)

勝手に寸評

チームレベルでの着実なレベルアップが感じられる結果でした。大砲となる外国人留学生に加えて、13分台〜14分一桁の走力を有するトップランナーを2〜3名持っていないと優勝争いに加わるのが難しい状況です。

今大会でもピンクの厚底ナイキシューズを履いている選手が目立ちました。ギアの進化もレースの高速化に貢献していることは間違いないようです。

2018年の備忘はこちらを御覧下さい。↓



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