嵐の活動休止に思うこと
スーパーアイドルグループ、嵐が2020年12月31日を以て活動休止することを発表しました。大坂なおみ選手の全豪オープン優勝と共に、トップニュースとなっています。
妻がファンクラブ会員であることもあり、嵐はジャニーズ事務所所属の数多いアイドルグループの中で最も親近感の沸く存在です。ジャニーズ事務所の手がけるアイドル育成のビジネスモデルとその事業管理能力はなかなか凄いと思います。嵐はその中でも最高傑作であり、先に解散したSMAPと並び、平成を代表する国民的グループであると思うのです。
今年デビューして20周年を迎えますが、最初から順調だった訳ではなく、人気が爆発し出したのは2005〜2006年頃からです。メンバーの松本潤さんが道明寺司役を演じた「花より男子」の大ヒットしたり、二宮和也さんがクリント・イーストウッド監督作品の「硫黄島からの手紙」に起用されて演技が評判になったりして、コアなファン以外からも嵐というグループが注目されはじめたと記憶しています。メンバー同士の仲の良さや、それぞれのメンバーの親しみやすいキャラクターもあって、一気にスターダムに上り詰めていくさまをon timeで見てきました。
活動休止の決定は、リーダーの大野智さんの「嵐としての活動を終えて、自由になりたい」という意向を尊重した結果の決断だったようです。大野さんのこの気持ちは個人的には物凄く判ります。
大野さんは、歌も上手いし、ダンスも上手い、絵の腕もプロ級というマルチな才能に恵まれた人です。しかしながら、余り自分を誇示するタイプではなく、グループのリーダーでありながら、一歩引いた振る舞いが多くて、能ある鷹は爪を隠すというスタイルを守る不思議な魅力を持った人です。
元々自由人的な気質のある人なんだと思います。自分の意思を封印し、国民的トップアイドルグループのリーダーとして、律儀に自分に求められる責任を果たす毎日に疲弊していって、違和感が限界に達したのではないかと想像しています。「ちょっと休ませて欲しい」という気持ちが高まり、抑えられなくなったのではないでしょうか。
解散ではなく活動休止としていること、2020年12月31日まで活動を継続すること、については大人の事情があるのだと思います。これから先の約2年間という比較的長い活動期間を残して、世間に休止を発表するという決断はちょっと異例です。関係各所への配慮やマーケティングも考えてのことなのでしょうが、彼らのファンに対する律儀さ、真面目さ、義理固さが現れている気もしました。昨夜の記者会見の対応も立派なものでした。
大野さんがメンバーに告白したという2017年6月というのは、私自身が見ても、彼らはもう嵐としての活動は卒業してもいいのではないか、と感じ始めた頃でした。良い退き際だと思います。
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