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コンサート体験記:イルカ&太田裕美

noteを開始してそろそろ4年になりますが、これが初のコンサート体験記の記事です。私が、本格的な洋楽野郎に転身する前に聴いていたスターの生唄を堪能した夢のような時間でした。その感慨を記録に残します。

耳を疑ったコンサート告知

夢のようなコンサート(ラブリー♥コンサート)が、松本市のすぐ隣の塩尻市で開催されることを知ったのは、今年の7月、仕事を終えてクルマを運転して家に戻る途中に聴いていたラジオのコマーシャルでした。

昭和を代表する名曲…… 『なごり雪』(作詞・作曲:伊勢正三 1975)のイルカ(1950/12/3-)さんと『木綿のハンカチーフ』(作詞:松本隆、作曲:筒美京平 1975)の太田裕美(1955/1/20-)さんが、コラボするステージを生で観られるというのですから、このチャンスを逃す手はありません。自宅に着くと、すぐさまパソコンを立ち上げ、6,900円という破格に安いチケットをゲットしました。選べた座席は、前から8列目。過去のコンサートで、こんな間近で観られるいい席を確保できた記憶はありません。

今回チケット購入を即決したのは、過去にぐずぐず迷っているうちに、貴重な機会を逃してしまった苦い経験があったからです。

アメリカ・デトロイトに駐在していた2003~2004年頃、大物の有名バンドたちがジョイントを組んで全米を回るツアーがブームになっていました。デトロイトにも、JOURNEY, STYX & REO SPEEDWAGON、AEROSMITH & BILLY SQUIRE、といったファン垂涎のツアーがやってきたものの、仕事の予定は大丈夫か…… 等と逡巡しているうちに、目の前をすり抜けていきました。今回は、悔いを残さないよう即行動しました。

朝からワクワク感が止まらない

この前コンサートを楽しんだのはいつだったろうか…… と調べてみると、2018/10/24、日本武道館でのデフ・レパード『Hysteria再現ツアー』以来であることがわかりました。50を超えたおっさんが、二階席から叫びまくり、喉がガラガラになったことを思い出します。

2018/10/24 デフレパード@日本武道館

今朝は6時起床、8時にはシャワーを浴びて準備万端を整えました。自宅から会場となる塩尻市のレザンホールまでは、約12㎞とWalkingにお誂え向きの距離です。天気も良いし、歩いていくことに決めました。開場時間の16時には余裕で間に合うよう11時過ぎには家を出て、道中はVoicyで『荒木博行のbook cafe』を聴きながら歩き始めました。ただ、思っていたよりもぽかぽか陽気で、タイト気味のデニムと長袖のラグビージャージは、長距離Walkingにはミスチョイスでした。

途中でランチやカフェタイムの休憩を織り交ぜたものの、結構な大汗をかいてしまいました。かなり使い込んでいたウォーキングシューズにもヘタリが来ていたのか、途中から足裏に豆ができてしまい、それをかばって進んでいるうちに両足の脹脛がパンパンに張ってしまいました。脚の痛みを感じつつ、開場に着いた時には、既に結構な疲労を感じていました。それでも、会場内に用意されたポスターを見ると、テンションが上がってきました。

会場内に用意されたポスターより

”ザ・プロフェッショナル”の技を堪能

観客の平均年齢は、確実に60歳Overで、夫婦連れやマダムの集団が目立ち、私のような男性のソロ客は少数派でした。

印象に残る昭和の楽曲調査を行うと、『なごり雪』が1位で、『木綿のハンカチーフ』が2位にランクすることも少なくありません。そんな名曲中の名曲にあげられるこの二曲が、空前の大ヒットを記録し、今も歴代売上No.1シングルに君臨する『およげ! たいやきくん』(作詞:高田ひろお、作曲:佐瀬寿一、歌唱:子門真人 1975)に阻まれて、チャートで1位を記録していないというから驚きです。

コンサートは予定の17:00きっかりに開演しました。オープニングは、お二人(ラブリーズ……)が揃って登場して、デュエットで歌います。見た目も声も、全盛期そのままを維持しているのはさすがです。イルカさんは、蝶ネクタイ、太田裕美さんはメルヘンチックなロングドレスと装いまで、オールドファンの期待を裏切りません。声援は自粛ですが、盛大な拍手です。

オープニングが終わると、まずは太田裕美さんのパートで、曲順の記憶はややあやふやですが、最初が『赤いハイヒール』。合間に巧みなMCを挟みます。昨日は富山県の新湊(高周波文化ホール)でのコンサート終焉後に移動して、長野市で宿泊されたようです。後半には、『九月の雨』『さらばシベリア鉄道』『木綿のハンカチーフ』をギター二本(アコースティック&エレキ)の伴奏をバックに熱唱。名曲を本人の生唄で聴けて感無量でした。

続いて、イルカさんが和装と洋装のまじったファンキーな衣装で登場です。現在、古稀+1(=71歳)、孫が4人(上が24歳、下が1歳)もいることを全く感じさせない、澄んだ歌声&観客を楽しませる話術は健全です。『まあるいいのち』『海岸通り』『We Love You Planet! -ひびけ!惑星に。』などもよかったですが、やはり『なごり雪』は別格に素晴らしかった。イントロから、「汽車を待つ君の横でぼくは……」のあたりでぞくっとしました。

ラストは、二人が圧巻の合唱を繰り広げ、ラストは『翼をください』で締め括りました。観客の待ち望むものを惜し気もなく提供する、プロフェッショナルの技で埋め尽くされていました。歌手生活50年(イルカさん)、48年(太田裕美さん)のキャリアを、存分に見せつけてくれました。

心が洗われた二時間

今宵は50過ぎのおじさんの雑念を捨て、少年時代の純粋な気持ちに戻って、目の前で展開される音楽に集中しようと決めていました。そんな私の期待と予想を全く裏切ることなく、磨き上げられたパフォーマンスを堪能させて貰いました。今夜は満足して床に就きます。

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