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『冷静と情熱のあいだに』を観る

本日は、映画『冷静と情熱のあいだに』(2001)の鑑賞記です。夕食を終えた後、ベッドに寝転んでamazon primeを漁っていたら、偶然見つけました。


ザ・ラブストーリー

江國香織、辻仁成『冷静と情熱のあいだ』を原作に、フジテレビ・角川書店・東宝がコラボして製作された大作です。監督はフジテレビで数々のヒットドラマを手掛けてきた中江功氏、脚本は売れっ子の水橋文美江(中江氏の妻でもあり)氏が手掛けています。主人公の順正は竹野内豊、ヒロインのあおいは、香港の人気女優、ケリー・チャンが演じています。当時、若手イケメン俳優として人気のあった竹野内豊さんの映画初主演作品であり、本作品の演技で2001年の日本アカデミー賞、優秀主演男優賞を受賞しています。

小説では、同じストーリーを順正(辻仁也=Blu)、あおい(江國香織=Rosso)の視点から語られていますが、映画では基本的に順正の目線で物語が進んでいきます。1990年~2001年の時間軸で展開されています。

あおいの20歳の誕生日に二人で交わした約束 ~10年後、あおいの30歳の誕生日の5月25日に、フィレンツェのドーモで逢う~ がストーリーの中核になっています。

フィレンツェとミラノ

物語の主要な舞台は、順正が絵画の修復士を目指して滞在するイタリアのフィレンツェです。私は、この歴史が詰まったこの街を訪れた経験がありません。映画の前半は、街の魅力を紹介するような場面が多数出てきます。順正の乗り物は、学生の頃は自転車、数年後に修復士として働いている頃には、バイクになっています。順正の恋人で、日本人留学生の芽実(めみ)を篠原涼子さんが演じています。今でこそ大物女優ですが、当時は薄幸な役を演じさせたら、天下一品だと感じていました。この映画でもいかんなくいい味を出しています。

一方、あおいが有能なビジネスマンのボーイフレンド、マーヴ(マイケル・ウォン)と裕福に暮らしているのが、ミラノです。フィレンツェとは対象的に、現代的な街であることを強調した演出になっています。私はミラノも残念ながら行ったことがありません。

日本の映画は変化した

純愛がテーマの映画は、私の好きなタイプの映画ではあるのですが、正直な所、一昔前の映画という印象も残りました。エピソードや、訴えてくるメッセージがやや深みに欠けるような気がしました。順正と父との確執は十分には描き切れていない気がしましたし、最後の方は、伏線が綺麗に回収されていくのですが、余りにもうまく行きすぎの感は否めませんでした。

でも、それらを差し引いても結構楽しく観られました。


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