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『もういいんです症候群』

本日は『もういいんです症候群』という結構シリアスなテーマで思ったことを記します。


行き過ぎた自分の気持ち至上主義の果て

『もういいんです症候群』は、最近読んだ岡田斗司夫氏が内田樹氏と対談した内容をまとめた『評価と贈与の経済学』(徳間書店2013)の中で、岡田氏が言及していたことばです。(P27)

自分が覚悟を決めて進んだ大好きな道の筈なのに、ある日突然「もういいんです」と折り合いをつけて、やめてしまう人の状況をさして名付けたことばのようです。他人や周囲から決定的な駄目出しを食らっている訳でもないのに、先々の見通しを悲観して自分から降りてしまう人は少なくありません。

その原因として過剰に自分の気持ちを重視する『自分の気持ち至上主義』に傾き、揺れる気持ちに正直に行動してしまうことがあるようなのです。俗に「心が折れてしまう」という状態かもしれません。

また、別の章で岡田氏は、

いま、若い男子が一番嫌なことっていうのは、誰かにいいように利用されるってことなんですよ。利用されたり、いいようにされたり。(P36)

と書いています。なかなかドキっとする深い洞察だと感じました。

それって私のことか?

この対談の章を読んだ時、自分に突き付けられた批判のように感じました。『もういいんです症候群』は、甘えの気持ちの表出であり、自己愛が肥大化し過ぎてしまった結果なのだろうと思います。自分の期待したような結果が出ないと頑張り続けられない。程度問題ではありますが、私も確実に持っている特質です。

私は理屈よりも、自分の感情や心に従うことをよしとしています。仮にそのことで損することになっても、結果を受容してokと判断してきました。

「心が完全に折れた」と感じた時には、思い切って転進を図ってきました。

確かに、後から考えると思考が短絡的過ぎたかな…… と思うような決断もありましたが、大きく遠回りすることにはなっても、最終的には自分の満足できる結末に辿り着いてきたという自信は今でもあります。

人生最大のピンチを楽しむ

今は色んな要素が絡みあって、心穏やかに過ごせる状況にはありませんが、この長いトンネルは必ずや抜けられると楽観的に信じています。

『悲観は気分、楽観は意志』は、私が大切にしているモットーの一つです。今は何度もこの独り言を呟いています。私を力強くサポートしてくれる妻と息子がそばにいてくれていますから、地道にもがき続けていけば、状況が上向く時は必ず来ます。周囲からは滑稽だと見られても、自分が信じることを大切にしたいのです。

だから、これまでのことは、『もういいんです』。現実を噛み締めて、これからの道を歩くのです。選んだ道を正解にする生き方が、私が貫くべき生き方です。


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