『「肩書きがなくなった自分」をどう生きるか』を読む
本日は、蝶野正洋『「肩書きがなくなった自分」をどう生きるか』(春陽堂書店2023)の読書感想文です。
期待以上に堪能させてもらった一冊
本書は、つい最近amazonのkindle版で購入したものです。本書は、著者の蝶野正洋氏がレスラーを引退し、注目を浴びる表舞台から下りてからの生き方や意識していることを綴った書で、大変失礼ながら、期待以上に堪能させてもらった一冊でした。
蝶野氏は、主にアントニオ猪木(1943/2/20-2022/10/1)氏が創設した新日本プロレスで活躍した人気プロレスラーでした。私が多少なりともプロレスに関心を持っていたのは小学生~中学生の頃であり、蝶野氏がレスラーとして大活躍していた全盛期を、私は全く知りません。なので、この本を読むまで、蝶野氏に対する関心やリスペクトや親近感は薄く、御本人も書いているように、年末に放送されていた『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に笑ってはいけない』シリーズで、「芸人にビンタを見舞う人」程度の理解しか持っていませんでした。全身黒づくめでサングラスで表情を隠し、暴力的に振る舞うヒールというイメージが刷り込まれていました。
生き抜くスキル、心構え
蝶野氏が語っている内容は、これまでの経験から培われた自身の確固たる人生哲学というよりは、「こうしたらいいんじゃないかと俺は思う」という告白のように感じました。勿論いい加減に語っているということではないですが、常識に捉われず、変幻自在で柔軟な考えを大切にしたい、という方ではないかとお見受けしました。
色々、共感すべきフレーズがあり、書き抜いておきたい部分が随所にありました。周囲を楽しませるサービス精神を発揮している人は、成功している、という分析はわかりやすいです。読み易いので、一気に読み切ることができました。自分の成功や失敗の経験が基盤になっているのは確かですが、自分の特性がよく見えていて、その特性を活かして周囲とうまく適合させて、居場所を作るスキルに長けているのが蝶野氏の強みのように思います。
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