時事ネタに挑戦:auの大規模通信障害
本日は、2022/7/2に発生したauの大規模通信障害事故について、コメントをしてみます。時事ネタにエラそうに意見表明できるような立場ではないものの、思ったことを記録しておきます。
20年近いauユーザーの私
私は、2005年6月にアメリカから帰国した日の翌日に契約して以来、個人で使う携帯キャリアは、au一筋を貫いてきました。アメリカに渡る以前、2001年までは、今ではソフトバンクグループに吸収されてしまった日本テレコムのJ-PHONEを使っていました。
ただ、私は昔から電話が嫌いで、スマホを使う今では音声通話は滅多に使いません。土日の出来事でしたし、私にわざわざ電話をかけてくるような人はほぼいません。今回のauの通信障害の話には全く気付いておらず、従って影響も殆ど感じませんでした。そんな大問題になっているとは露知らず…… という感じで、今回のトラブルに物申したいとか糾弾したいとかいう趣旨の記事ではありません。トラブルの発生原因と通信システムの仕組みの盲点を知りたいという思いから取り上げています。
記者会見で株が上がった髙橋KDDI社長
この事故を受けて、謝罪と状況説明を行なったau事業の運営会社、KDDIの髙橋誠社長の対応が素晴らしかったと話題になっています。興味をそそられ、約2時間に渡る記者会見の動画を探して視聴してみました。
まだ、完全かつ詳細な原因究明や影響分析用のデータも揃っていない状況の中で、約15分間で簡潔に説明し、その後の質疑応答も、幹部と手分けしながら堂々と乗り切り、逆に株を上げる結果となりました。ネット上では髙橋社長の能力の高さと真摯な対応を称賛する声も多く、トラブル後の事後対応によって、KDDIは逆に株を上げる結果となったようです。
自らエンジニア出身であり、技術的な問題を、付け焼き刃ではなく、完全に理解していることが透けて見える説明でしたし、その後の質疑応答では、理解力が追いついていない記者からのやや的外れな質問にも、瞬時に意図を読み取って、担当役員に回答させたり、噛み砕いて手許に引き寄せて自ら回答したり、無双状態でした。
トラブル対応にあたったKDDI社員の人にしてみれば、全ての問題を掌握した上で、堂々と対処してくれる社長を頼もしく感じたかもしれません。
報道する側に限界があったかも
私自身は技術音痴なので、ルーターの種類や、ネットワーク構築の詳しい仕組みも知らなかったし、「輻輳(ふくそう)」ということばも初めて聞きました。が、説明は全般的にとても判り易かったと思います。専門的な用語を限界ギリギリまで削ぎ落とし、良心的な説明になっていました。
説明を受け、質問する側の記者からは、単なる事実確認だったり、核心はすっ飛ばして、伝えたい内容に肉付けできそうな情報だけ引き出そうとする質問も多かった気がします。私もエラそうなことは言えませんが、技術的素養の乏しい(と思われる)記者には、なかなか酷なテーマだったような気がします。
私的には、記者の方々が「本当は理解できていないのだろうなあ」と思わせる素人質問をしてくれたお陰で、au側の丁寧な説明を何度も聞けて、私の理解も進んだのでありがたかったです。
通信インフラは社会生活の基盤だと再認識
これまた月並みなコメントですが、通信インフラは、社会生活を営む上での重要な基盤なのだと再認識しました。戦時になれば、破壊されると影響の大きい通信インフラは真っ先に攻撃の対象になりそうです。コミュニケーション手段を断ち切れば、分断が進む社会では、サバイバルが難しくなる人が多数出そうです。
便利になってしまった世の中は、最早後戻りはできません。私もデジタル技術がわからない無防備なままでは不安です。昨日の記事、『最新のデジタル技術がわからない』には、この事件の伏線があり、デジタル技術を学ぼうという意欲になっています。
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