旅の記録2024:【第二日】宇都宮〜高崎〜軽井沢〜篠ノ井
JR東日本の週末パスを利用しての電車旅二日目のテーマは、シンプルに『電車に乗って移動する』です。移動するルートは、既に考えてあったので、そのプランを粛々と実行するだけでした。今回の旅で、思わぬプラスの発見と、ちょっとした期待外れを味わい、貴重な経験を積み上げることができました。これまで知らなかった『週末パス』を一度試しておけば、次の糧にもできます。昨夜の宇都宮のレビューから書いていきます。
北関東最大の飲食街、宇都宮
他の比較対象になりそうな北関東の大きな街、群馬県の高崎や茨城県の水戸についての詳細な知識を持ち合わせている訳ではないので、完全に憶測になりますが、夜の飲食に関して、宇都宮のクォリティはかなり高いと感じました。あらゆるタイプの料理店や飲み屋が東武宇都宮駅の徒歩圏内に揃い、活気があって混雑していました。周辺の佐野や小山や足利あたりからも人が集まってきているのかもしれません。大阪のキタや京都の河原町にも似た賑わいで、「宇都宮=餃子」というステレオタイプに凝り固まっていた自分の不明を恥じました。
若者の多い華やかなエリアを避けて、しっぽりと過ごしたい場合、メインの通りを外れれば、渋い小料理屋や居酒屋も揃っています。今回私はリサーチ不足で、料理の方はノーマークでしたが、地元の人々の楽しむ店もいいな、と思いました。
宇都宮に宿を取った理由は、カクテルの街とも評される宇都宮のバーを楽しみたかったからです。宇都宮でのバー飲みは初めてではないものの、久々の再訪を楽しみたいと、今回の旅の目玉にしていました。
結論としては、「不完全燃焼」だったように思います。バー飲みの愉悦とは総合的かつ主観的なものなので、美味いカクテルを飲めれば満足...... とはなりません。そういう意味で今回バーカウンターに滞在していた時間は、私にとって心の底から楽しいものとはならなりませんでした。決して失礼な扱いを受けた訳ではないものの、リラックスできないというか、疎外感を味わうような苦い時間となりました。過去の訪問時にも似たような感覚を味わっているので、宇都宮と私とは相性が良くないのかもしれません。
宇都宮〜小山〜高崎
昨夜はぐっすり眠り、朝8時からWebミーティングに参加しました。今回、自宅からPCを持参していました。シャワーを浴びて、ホテルをチェックアウトした後、宇都宮駅近くのカフェでモーニングを食べて準備を整えました。睡眠効果で身体の調子は昨日より断然いい感じです。
10:21発の宇都宮線で小山へ、そこで両毛線に乗り換えて延々終点の高崎まで向かいます。両毛線は利用客も多く、車内は混雑したり、空いたりを繰り返しました。私は始発から確保していた座席で、ホテルから貰ってきた読売新聞の朝刊を久々に読みました。
一昔前、電車の車内で新聞を読む乗客を目にするのは珍しいことではなかったものの、2024年の夏にそんなことをしているのは、車両でもちろん私ひとりでした。東京大学名誉教授の田中明彦先生の書いた日系人の歴史についてのコラム(地球を読む)や、『松本清張の昭和史』についての梅田明日佳氏の書評など、かなり面白かったです。約2時間の移動を想定して、今回も何冊か紙の本を持参していたものの、予定は外れました。しかし、これも旅の醍醐味の一つなのでしょう。
猛暑の中、高崎でパスタ探し
12:50に到着した終点の高崎は、近年『パスタの街』として知られるようになっています。今日の私のランチは、パスタ一択でした。
高崎駅に着いて、西口から出るか、東口から出るかを迷いながら、改札を出ると、家族連れを中心に長蛇の列ができていました。何だろうと気になったものの、そのまま通り過ぎて東口を目指しました。しかし、途中で便意を催して、駅ビル7Fのトイレに駆け込み、しばらく体調を調えるのに時間を費やしました。ようやく落ち着いたので、高崎市役所のある西口方面に方針変更して、駅改札前に戻ると、物凄い人壁の前でスマホの撮影ラッシュに晒されている『ぐんまちゃん』に遭遇しました。その人気の高さには、驚きました。
2019年12月以来約5年ぶりの高崎です。繁華街ってどの辺りだったっけ..... と、うろ覚えのまま、猛暑の中、パスタを探して闇雲に高崎市役所に向かって伸びている県道29号線を進むものの、パスタ屋どころか、飲食店すら発見出来ません。額からは汗が吹き出し、来ていたTシャツがみるみる汗を含んで重くなっていきました。高崎図書館前で「市街地」という標識に従って右折し、うっすらと記憶が蘇ってきました。約20分、無駄歩きをしてしまったことに気付きました。
それでもなかなかめぼしい店舗は見つけられず、諦めかけていた時に入った高島屋のレストラン街のお店が、幸いにも「当たり」でした。2020年のキングオブパスタ受賞作をいただきましたが、生パスタがもっちりしていて、ワサビの効いたクリームソースも美味でした。
高崎〜軽井沢〜小諸〜篠ノ井
高崎から軽井沢への移動は、新幹線を使うと決めていました。軽井沢までは、わずか2駅、約20分の乗車時間です。丁度3時前だったので、おやつに高崎駅構内で高崎プリンを買って、車両に乗り込みました。
軽井沢駅で降りると混雑していました。トイレを借りる為に立ち寄ったアウトレットモールにも、経済的に余裕がありそうな人たちで溢れていました。さすがは、ネームバリューのある軽井沢です。私はこの喧騒からは逃れたかったので、トイレを済ませたら、一目散にしなの鉄道の改札を目指しました。『週末パス』がありがたいのは、しなの鉄道のような民営化された路線もカバーされていることです。軽井沢から小諸、小諸で乗り換えて篠ノ井に到着しました。
篠ノ井の町中華でほっこり
篠ノ井駅で、松本方面への乗り継ぎには、1時間近くありました。17時を過ぎていたので、早めに夕食を済ませることにしました。篠ノ井駅で下車するねは初めてでしたが、駅舎は高架になっていてなかなか立派です。歴史と風情を感じさせる駅表札が目を惹きます。
駅前通りを歩いて、見つけた町中華に決めました。扉を開けると、近所の人たちでしょうか、お酒を飲んで盛り上がっている集団や家族連れで、店内は混雑していました。チャーシュー味噌ラーメンと餃子(今回の旅は餃子比率高し)をオーダーしましたが、かなり美味でした。
篠ノ井駅周辺は、何となく自分の実家の最寄り駅と似ていて、ノスタルジーを感じさせられました。
篠ノ井〜平田
篠ノ井駅からの上り甲府行きの普通電車は、かなり混雑していて、この旅で初めて座れませんでした。これは全く想定外でした。松本駅でようやく人が降りたものの、同じくらい乗ってくる人もいました。見慣れた光景ではあるものの、篠ノ井線は利用客が多いのだなあ、と実感しました。
毎度、旅の終わりに思うことですが、「戻ってこれる場所があるから、旅は楽しいんだなぁ」
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