見出し画像

突然、一つの時代の終わりがやってきた

安倍晋三元首相(1954/9/21-2022/7/8)が亡くなって、今日で四日目となりました。奈良県の西大寺駅前で選挙演説中に、筋違いな私憤を募らせた犯人の自作した銃によって背後から撃たれ、突然の死を迎えました。一報に接して、多くの人と同様に私も心底驚き、信じられない気持ちでした。

本日の昼に東京の増上寺で行われた葬儀のダイジェストを、テレビの夜のニュースでぼんやりと見ていましたが、まだ安倍氏の不在を、現実として理解できていない感じです。

画像1

華があって、人気もあった政治家

安倍元首相の総理在任日数、3,188日は日本憲政史上最長記録です。2006年9月26日からの第1次安倍政権は1年弱で終焉を迎えましたが、2012年12月26日に就任した二度目の政権は、7年9か月にわたる長期政権となりました。総理大臣が短期間で次々と入れ替わる印象が強い日本政治の中で、長く政権の座を維持しただけでも偉業です。加えて、日本の舵取りに尽力し、リーダーシップを発揮し続けた歴史に残る政治家です。吉田茂、佐藤栄作、中曽根康弘の歴代の首相と同格の、従一位大勲位大勲位菊花章頸飾を授賞したのは、納得するところです。

国内外で多くの人から好かれ、影響力を発揮した政治家でもあったことは、皮肉にも亡くなってしまったことで、広く証明されたように思います。安倍氏が成し遂げた功績、手腕は今後詳細に解析されていくと思いますが、少なくとも、現時点ではマイナス評価よりも、プラス評価が上回っており、日本国に貢献し、殉じた政治家だったと思われます。

アベノミクスの評価

初期のアベノミクスが、①大胆な金融緩和、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢で構成されていたことは有名です。

安倍元首相が先導した経済政策、アベノミクスの評価について、髙橋洋一氏が解説を加えている動画を見ました。髙橋氏は、アベノミクスは世界の常識であり、どこに出しても恥ずかしくない適切な政策だったと言います。

経済政策は、①②のマクロ経済政策、③のミクロ経済政策で構成されるのが王道であり、安倍氏は金融政策の正体と勘所をクリアに理解している数少ない政治家であった、この順番で実施したことが大切なポイントであった、と解説しています。

髙橋氏は、金融政策とはつまるところ雇用政策なのであり、雇用を回復させたというアベノミクスの最大の功績が軽視されていると言います。雇用がなければ、そもそも賃金上昇の議論すら出来ない、というのは確かにその通りです。そもそも職がない、という暗黒の時代が長かった記憶は、解決してしまうと忘れてしまっています。

時代の変節点となる予感

過去にも時代が大きく動く変節点となった事件があります。私は、安倍元首相の死は、阪神淡路大震災、リーマンショック、東日本大震災など過去の変節点に匹敵する出来事のような気がしています。

この10年間、日本の政局の中心に座り続けた大物政治家が不在になったことで、流れが変な方向に変わりそうな嫌な予感もします。私の勘が外れてくれることを、祈ります。

サポートして頂けると大変励みになります。自分の綴る文章が少しでも読んでいただける方の日々の潤いになれば嬉しいです。