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Think Clearly-#2 なんでも柔軟に修正しよう

よりよい人生を送るために必要な「思考の道具箱」を求める私が、ロルフ・ドベリ氏の著書『Think Clearly -最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』から学ぶシリーズです。第2回は、『なんでも柔軟に修正しよう』(P29-35)です。

#2 なんでも柔軟に修正しよう 完璧な条件設定が存在しないわけ

私は、趣味で飛行機を操縦するうちに学んだことがある。重要なのは、「スタート」ではなく、「離陸直後からの修正」技術だということだ。(P31)

免疫システムに、マスタープランはない。排除すべき外敵を前もって予測しておくことは不可能だからだ。悪性のウイルスやバクテリアは何度も突然変異をくり返すので、常に排除方法を修正していかなければ体を防御できない。(P31)

より人生とは、「一定の決まった状態を指す」と思っている人が多い。それが間違いなのだ。よい人生とは、「修正をくり返した後に、初めて手に入れられるもの」なのだから、(P32)

「計画そのものに価値はない。計画しつづけることに意味があるのだ。」(ドワイト・アイゼンハワー、米国大統領)大事なのは「完璧な計画を立てること」ではなく、「状況に合わせて何度でも計画に変更を加えること」。(P32-33)

(各国の憲法が何度も改正されていることを例に挙げて)「修正する力」は民主主義の基盤をなすもの <中略> さまざまな社会体制が存在するが、修正メカニズムが組み込まれているのは民主主義だけだ(P33-34)

ものごとを修正できる力の需要は高まっているのに、修正する力を学校で身につけられる機会はほとんどない。(P34)

早いうちに軌道修正した人は、長い時間をかけて完璧な条件設定をつくりあげ、計画がうまくいくのをいたずらに待ちつづける人より得るものが大きい。(P35)

何ごともある条件のもとでスタートさせ、それが進んでいく過程で持続的に調整をほどこすのが、正しいやり方である。世界が複雑であればあるほど、出発点の重要性は低くなる。だから仕事でもプライベートでも、条件設定を完璧にしようと力を注ぎ込みすぎないほうがいい。それより、ダメだとわかったことはそのつど変えていけるような、修正の技術を身につけたほうが得策だ(P35)

本日の気づき on 2020/8/19

● 変化の大きい現代では、修正する力が、益々重要な能力となっている。うまくいっていることでも、絶えず微調整や修正をくり返していかないといずれ対応できなくなる。

● 完璧な条件設定は存在しないことを知る。ある程度まで考えたら、実行に移す。走りながら考えて修正していく。当てずっぽうは駄目だが、やってみないとわからない、という楽観力も必要。

● 物事に関する著名人の主張を鵜呑みにして、執着し続けてはいけない。その主張は、その時点での考えの発露であり、変化によって翌日には意見が修正されている可能性がある。

● 「変わり続けるからこそ、変わらずに生きてきた」(ニール・ヤング)という言葉の深さが改めて沁みる。

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