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雑草魂・上原浩治投手の引退で思った違和感

巨人、米大リーグで活躍した上原浩治投手が現役引退を発表しました。それに関して率直な思いを残します。

巨人のエースの系譜を継ぐ男

上原投手が、巨人のエースの系譜にその名を連ねる名投手であったことに異論はないでしょう。1998年のドラフト1位で巨人に入団、1999年のルーキーイヤーには20勝4敗の成績で、最多勝利、再優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手部門四冠を達成。新人王、ベストナイン、ゴールデングラブ賞、沢村賞も受賞する大活躍をしました。

その後も巨人投手陣の柱として毎年コンスタントな成績を残し、最高の先発完投型投手の証である沢村賞も二回(1999年、2002年)受賞しています。平成以降に活躍した投手で沢村賞を二回授賞しているのは上原投手を含め、8人しかいません。

2009年からは米・大リーグに戦いの場を移し、主に救援投手として活躍。2013年にはボストン・レッドソックスでワールドシリーズ優勝、胴上げ投手を経験しています。球速こそ140㌔前後ながら、抜群の制球と投球術で、大リーグを代表する救援投手として、高い評価を受けました。

2018年に米国から帰国し、古巣の巨人に復帰しましたが、故障もあって、今シーズンはここまで一軍での登板はありませんでした。

私も好きなことば、「雑草魂」

上原投手は、大阪の東海大仰星高校時代は、同学年のエース、建山義紀投手(後に日本ハム、米大リーグで活躍)の控え投手で、全国的には全くの無名でした。一浪して入学した大阪体育大学で花開き、ようやくその存在が注目され始めた遅咲きの選手です。

自分は野球エリートではないと自覚し、座右の銘は【雑草魂】です。気持ちで投げるタイプの投手であるとの印象があります。私はどちらかと言えばアンチ・巨人ですが、強気のピッチング、切れのいいストレートと鋭く曲がるスライダー、スプリットフィンガー的に鋭く手元で落ちるフォークボールは一級品でした。下積みも経験していることに加え、野球仙人ぽくない人間味のある素顔にも、わりと好感を持っていた選手でした。

寂しい最後

日米のプロ野球で輝かしい実績を残している上原投手の現役引退にしては、少々寂しい最期だなというのが、正直な感想です。

経歴や実績でほぼ遜色がないと思われる、黒田博樹投手(広島、米・大リーグで活躍)の扱いと比較すると、巨人という球団は、日本球界や自分のチームに貢献した選手の扱いが雑だな、冷淡だな、という印象を受けました。シーズンオフか、来年かどちらでもいいですが、引退試合を組んであげて欲しいなと思いますね。

報道によれば、本人は「正直、もうちょっとやりたかったという想いがあるんで、納得はしていない」というコメントをされています。日本球界に復帰してからの自分のパフォーマンスや境遇には100%満足していないことを吐露していて、正直で好感が持てました。

今後のことは何も決めていないとのことですが、第二の人生でもきっと成功すると思います。平成の名選手がまたひとり現役を去ったなとの印象です。ひとまず、お疲れ様でした。

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