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ポルトガルとデンマーク

前半の三連休の中日です。昨日は、午前中に所用を済ませた後は部屋でボンヤリと過ごしました。今日は天気もいいし、外へ出てアクティブに行動しようと決め、ロングドライブをしました。途中、ハンドルを握りながら、ふと思ったことをメモ代わりに、記録に残します。

落日を経験している国、ポルトガル

現在のポルトガルは、EU加盟の"南欧の小国"というイメージです。首都のリスボンは比較的知られてはいるものの、世界的に活躍している著名人と言われて思い浮かぶのは、サッカーのクリスティアーノ・ロナウドくらいでしょうか。しかしながら、ポルトガルには、かつて大航海時代の先駆者として、当時の世界の最先端に君臨していたという栄光の歴史があります。

私は、丁度2年程前にポルトガルの19世紀から20世紀の現代史に興味を持ち、独裁者、サラザール大統領が君臨した"エスタド・ノヴォ"の時代について細々と調べたりしています。

私には、日本の国力が「失われた20年」「失われた30年」と呼ばれて足踏みを続けている間に国際社会での存在感が急速に衰退しているという感覚と、今後再び上昇気流に乗って世界の最先端に返り咲くことはないだろうという確信があります。私がポルトガルに関心を寄せるようになったきっかけは、世界の大国の地位から滑り落ちた後、低空飛行を続けているように見えるポルトガルの辿った歴史を知ることは、今後の日本の国家運営の参考になるのではないか......  という思い付きだったように思います。

私は、ポルトガルを訪れた経験がなく、現時点で確信的なことを語る資格はないのですが、書物を読んで、国民性が日本と似ているのではないか、と感じています。今のポルトガルが悲愴感に包まれているとは、感じられません。失業率の高さなどから社会の閉塞感や退廃感はあるのかもしれませんが、与えられた環境の中で人生を謳歌している人が多いのではないか、という想像をしています。我が身の憐れさを嘆かず、学べる要素があるのではないか、という期待を持っています。

小さくとも矜持を持ち続ける国、デンマーク

デンマークの辿ってきた歴史に興味を持つきっかけになったのは、最近、内村鑑三の講演録『デンマルク国の話』を読んだことです。

北欧の国々は、どこも評判がいい印象があります。学生時代の私は北欧の神秘的なイメージと独特の社会運営に興味を惹かれていました。その時の好印象と巧みにポジションを守り続けるしたたかさへの尊敬の念は今も持ち続けています。

私は世界史を履修したものの、デンマークの歴史を詳しく教えられた記憶はありません。知識としてあるのは、プロイセンの首相ビスマルクが登場して、ドイツ統一を成し遂げる過程で国土を蹂躙され、肥沃なシュレスヴィヒ=ホルスタイン地域を奪われ、デンマーク国民は苦渋の思いを味わったという程度の知識です。

内村鑑三は、絶望的な状況からの恢復に焦点を充て、賞賛を与えています。苦渋を舐めた状況から不屈の精神で国力を立て直していく物語は、今の日本にもヒントになりそうな気がしました。

徒手空拳の打ち手に堕さない為に

今後もこの二つの国の歴史について、勉強を自主的に続けたいと考えています。今の日本に危機感を募らせる人は多いものの、その対策となると、歴史を踏まえない思い付きのような案が跋扈しがちです。冷静に歴史に学ぶ姿勢は大切にした方がいいのかな、と感じます。テクノロジーは進化したものの、担い手である人類が画期的な進化を遂げていない以上、歴史は繰り返す筈です。

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