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『チョコレートドーナツ』を観る

本日は、映画『チョコレートドーナツ Any Day Now』(2012)の感想文です。

2024/2/3の日記

昨夜は、記事を投稿し終えたと勘違いして寝落ちしてしまい、またしても連続投稿を飛ばしてしまいました。朝、目覚めて投稿されていなかったことに気付き、愕然としました。またしてもの凡ミスに心が折れましたが、起こってしまったことは仕方がないので、気を取り直して再出発です。

上映会で鑑賞

トラヴィス・ファイン(Travis Lane Fine, 1968/6/26-) 監督の本作品は、ゲイのカップルとダウン症のこどもの愛情が核となっており、アメリカで公開時に話題になったようです。日本では2014年に公開され、感動した宮本亜門氏の演出で2020年に舞台化(主演は東山紀之)もされています。

この作品は、私が裏方でお手伝いした本日の上映会で初めて鑑賞しました。社会問題を取り扱う映画として、非常に優れていると感じました。時代設定は1970年代後半のカリフォルニア州で、ショーパブのパフォーマーをしているルディと検察官のポールというゲイのカップルが、ルディの部屋の隣に住むダウン症の少年マルコ、を引き取って育てる、というストーリーが縦軸にあります。加えて、薬物依存症、親のネグレクト、障害者、LGBT差別、親権問題、といった様々な問題から眺めることで深く考えることができる映画でした。

真剣に考えさせられた

この映画を観て、色々なことをかなり真剣に考えさせられました。私にとって、かなり身近な問題(父と子の関係性がどうあるべきか)が潜んでいるからです。その問題意識を割り引いても、細かくちりばめられたエピソード、印象的な台詞、特定の人間を一方的に悪とは断罪しない絶妙のキャラクター設定、何とも切な過ぎる結末、などなど作品としても非常に優れていると感じました。強くお奨めしたい一本です。

冷静沈着な姿勢を崩さなかったポールが、養育権を巡って裁判長に対して熱く語った「ダウン症に生まれたことも、親から粗雑に扱われたことも、マルコには一切責任はない。あなた達は、そんなマルコが幸せになる権利を切り捨てようとしている」というセリフ(細部は違っていますが)には、強く心を動かされました。

マルコとルディ、ポールの三者の関係性を間近で見ていた人々は、法廷で好意的に証言しました。一方、直接関わっていない人々が社会常識や法の建前から下した判断によって、悲劇は引き起こされました。無知や先入観、偏見の怖さを痛感した一本でした。

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