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『庵野秀明+松本人志 対談』を観る

本日のnoteは、2021/8/20からamazon prime videoで公開中の動画『庵野秀明+松本人志 対談』を観た感想文です。「日本の財産」ふたりによる対談は、色んな意味で興味深い内容でした。

評価は様々

この対談動画を監督したのは、お笑いコンビ品川庄司の品川ヒロシ氏(1972/4/26-)です。かたや、現在映画界最高峰の才能の持ち主。かたや、お笑い界のレジェンドで映画監督も手掛けたことがある事務所の大先輩。お二人とも一筋縄ではいかない超ド級の変人同士です。

品川氏自身、お笑いタレントであり、映画監督です。とんでもない緊張感のある仕事だったのではないかと推測します。対談時が初対面となる二人が対談する現場には、異様なピリピリ感と緊張感が漂っていたことが画面から伝わってきました。対談後半に、カメラアングルが面白いという話になり、庵野氏から対談のカメラアングル・セットについて指摘が何度もありました。品川氏は、生きた心地がしなかったかもしれません。

対談は【前編(40分)】【後編(42分)】に分かれていて、冒頭「はじめまして」から対談がスタートするので、【前編】はかなり固い雰囲気が続きます。231件のレビューの平均評価レートは3.1。最高評価の星5つが31%の反面、最低評価の星1つも26%あり、辛辣なコメントも多々あります。

『日本の宝』同士の真っ当過ぎる大人同士の会話

私はこの組み合わせの会話をワクワクしながら観ました。筋金入りのまともな感覚の大人同士の率直な対談である、という受け止めをしました。イチイチ頷きながら、苦笑いしながら、微笑みながら、充実した時間を過ごすことができました。

松本氏は、おそらく庵野作品のファンなのだろうと思います。自分がリラックスできない相手と対峙する時間を意識的に望んだのだろうと思います。お笑い界の頂点に君臨する松本さんなりの身の処し方なのでしょう。

庵野氏と日頃向き合うのは相当しんどそうだということはわかりました。謎が謎呼ぶミステリアスな人という印象が残りました。

心に残ったことばのメモ

映画監督は「あきらめる」「一番気を使う」のが仕事。私は独裁が苦手。監督(ディレクター)は子どもでもできるが、プロデューサーは大人にならないとできない【庵野氏】

全て自分の思い通りになってしまうと恥ずかしい。【松本氏】

切り取りと編集が入った途端にドキュメントではないし、現実ではない【庵野氏】

何かを産み出すのは、基本コンプレックス。作品にはお客さんが必要で、否定評価は観る人の感性やその時の状況なのでしょうがない。作品に賛否が出るのは構わないが、作品を作った人たちの人格に向かうのは止めて欲しい。【庵野氏】

(プロデュースしなくてよい場面で)コントだけをやって楽だった、楽しかった【松本氏】

「緊張の緩和」が笑いではなく、「緊張と緩和」が笑いだと思う。それを理解してくれないと苛立つ時がある。【松本氏】

作品は世界向けには作っていないし、作れない。英語を理解する脳を持っていない。日本語でしか理解できない作品しか僕には作れない。届くのは嬉しいし、受けるのは嬉しいが、世界に届けることは目的にはしていない。【庵野氏】

自分が世界に近付くのではなく、世界が自分に近付いていく感覚【松本氏】

ウルトラマンの仕草が好き。【庵野氏】

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