略したくないことば
本日は、『略したくないことば』というテーマの自由作文です。長いことばの短縮版が定着することは、珍しいことではありません。巷で、普通に略して言われているものの、私個人としては違和感を感じている略語や略称についての思いを吐露します。
①コロナ/新型コロナ
新型コロナウイルス、新型コロナウイルス感染症、COVID-19が、普通に『コロナ/新型コロナ』で通用するようになってしまいました。私は意識して『新型コロナウイルス』という用語を使うように努力しています。
コロナは、ラテン語のcorona=「冠」を意味する用語です。今の時代が来るまでは、コロナということばからは、太陽大気の最外層のことか、トヨタの車名を連想しました。『コロナ』の概念が異様な広がりを見せていて、人によって定義が枝分かれしていってます。なので、『コロナ/新型コロナ』は極力使いたくありません。
②ヘヴィメタ/ヘビメタ
『ヘヴィーメタル Heavy Metal』は正式に認知されている音楽用語ですが、それを略した『ヘビメタ』ということばの響きからは、何となく侮蔑のニュアンスを感じ取ってしまい、好きな言い回しではありません。若干の違いですが、『ヘヴィメタ』の方がまだマシでしょうか。
私は、世の中で『ヘビメタ』とカテゴライズされるジャンルの音楽を、頑なに『ハードロック』と称するように心掛けてきました。どうしても使わないといけない場面では、正しく『ヘヴィーメタル Heavy Metal』と言うようにしてきましたし、書きことばの時は、HR/HMと書きます。
揶揄されがちなのは、『ヘビメタ』風ファッションや様式美です。音楽とセットで概念を形作ってしまっています。定着したイメージは、もう引き返せないでしょうが。
③ロス
ロサンゼルス(Los Angeles)を『ロス』と呼ぶのは日本人だけだ、という話はわりと有名です。アメリカ大陸には、ロスLosが頭につく都市が一杯あるせいか、現地の人からは、ロサンゼルス(ロサンジェルス)と略さずに言うか、L.A.(エルエー)と短縮するか、のいずれかしか聞いたことがありません。私は、今もその米国流ルールに従っています。
私が中学生の頃、「ロス疑惑」と呼ばれて話題になった有名な事件がありました。それ以前から「ロス」と言われていた気もしますが、「ロス」ということばが世に定着する決定的な出来事になったかもしれません。
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