『ジュディ虹の彼方に』を観る
本日は先日妻と観た映画『ジュディ 虹の彼方に』の感想です。
『オズの魔法使(The Wizard Of Oz 1939)』のドロシー役で世界的スターになったジュディ・ガーランド(Judy Garland 1922-1969)の最晩年を描いた作品です。
ずばり、レネー・ゼルウィガーの映画
主人公のジュディ役を演じたレネー・ゼルウィガー(Renne Zellweger 1969-)は、『ブリジット・ジョーンズの日記(Bridget Jone's Diary 2001)での、仕事も恋もいけてない、コミカルなブリジット・ジョーンズ役のイメージが強くて、本格派女優という印象がありませんでした。
ところが、この作品での彼女の演技と存在感は圧倒的で、彼女抜きではこの映画は成立しないと思いました。一緒に観ていた妻もかなり面白かったらしく、「期待を大きく裏切る出来だった」と言っていました。レネー・ゼルウィガーは、この演技で、2020年のアカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞しています。
ジュディ・ガーランドとは
ジュディ・ガーランドは、47歳でこの世を去っています。興味深い人物だったので、映画を観終わった後に、Wikipediaなどで簡単に調べてみました。
映画配給会社のMGMに所属し、二人の姉とともに、子役時代から活躍していたようです。私生活では5回の結婚と離婚を経験していますし、精神的に不安定な時期も長くて、名声ほどには恵まれた生涯ではなかったようです。若くして世界的スターになってしまい、周囲の大人たちから行動を制約され、自我を抑圧された経験が暗く影を落としています。
不遇を呼び込んだのは、極論すれば自分自身の責任でしょう。精神的ストレスから薬物依存になり、身勝手な振る舞いから、周囲から遠ざけられるようになってしまいました。心から信頼して身を委ねられる人、善悪の区別を説き導いてくれる人が現れなかったのも不運でした。襲ってくる孤独と嫉妬、睡眠障害に苦しみ、虚勢を張り続けることで疲弊していってしまったのでしょう。映画は、そのあたりの経緯をはっきりと示してはいないものの。エピソードを挿入しながら巧妙に示唆しています。
私的感想
「凡人が羨むような人気と賞賛とお金を手にしている人でも、心が満たされないと本当に辛いんだな」という平凡な感想を抱きました。ストーリー展開はあるような、ないような、という印象だったものの、全く飽きずに最後まで楽しめました。ところどころに深いセリフがちりばめられてあり、かなり考えさせられました。
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