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峠を歩く②:薩埵峠 2021/3/22

昨年7月に決意してから開店休業状態が続いていた『峠を歩く』シリーズの第二弾、静岡県の薩埵(さった)峠を歩いた記録です。

旧東海道三大難所の一つ

箱根峠、鈴鹿峠と並び、旧東海道三大難所の一つと言われるのが、薩埵峠です。(同じ静岡県の中山峠の方だとする説もあるようです。)

薩埵峠の展望台からは、歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』の由比宿に描かれた旧東海道屈指の絶景が望めると知り、足腰が健在なうちに走破しておこうと本日やっと足を伸ばすことができました。

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意外と近かった

雲が広がって、快晴とはいきませんでしたが、まずまずのお天気に恵まれました。緊急事態宣言が解除されて電車の混雑が心配だったので、朝はラッシュの時間を避け、ゆっくりめに家を出ました。

移動には、青春18きっぷを利用します。ネットで検索すると、自宅から最寄り駅のJR由比駅までは、2時間強で到着します。東海道線の車内で更に調べていくと、由比駅より更に一つ手前の蒲原駅で下車し、旧由比宿街の本陣公園に立ち寄ってから薩埵峠に向かい、そこからその先の興津駅まで歩くルートでも約10㎞弱の距離であることがわかりました。Walkingには最適の距離です。ならばと予定変更して、蒲原駅で電車を降りることに決めました。

蒲原駅〜由比宿

駅員さんが見当たらなかった蒲原駅の改札を抜け、目の前の道を西の方角に向けて歩行開始です。

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1㎞ほど歩くと左右の分岐があり、旧東海道の方へと進みます。程なくして右手に最初の目的地と考えていた由比本陣公園と東海道広重美術館が見えて来ました。

ただ残念なことに、あいにく月曜日は休館日ということで見学はできませんでした。江戸の旅の歴史に浸るあてが外れてしまいましたが、当時の面影を残す立派な造りを外から見て、雰囲気だけを味わいました。馬の水呑み場の看板の下の溝には多数の亀が生息していました。

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滞在時間は数分でした。気を取り直して薩埵峠方面を目指し、歩を進めることにします。

由比宿〜薩埵峠〜興津

JR由比駅の前を抜け、歩道橋を渡ったところに薩埵峠3.0㎞の表示がありました。さあ、いよいよ峠の道へと挑んでいきます。

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旧東海道をしばらく進んで行くと、右手に名代の小池邸が見えてきます。そしてその先にはいよいよ薩埵峠への入口の急坂が待ち構えています。薩埵峠は旧古戦場にもなった戦略的要所であり、室町幕府を開いた足利尊氏とその子の直義、戦国時代には武田氏と北条氏がこの地で争っています。

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息を強く吐きながら、細い急坂を上っていくと、それまで左真横に見えていた駿河湾が、どんどん眼下に広がっていきます。3.0kmの道のりが長く感じます。道の両側の木に実る黄色やオレンジのみかんを眺めながら、舗装された道路を一歩一歩と踏みしめて進み、ようやく展望台に到着です。

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歌川広重の図柄に現れる場所は、展望台からもう少し遊歩道を進んだ先にあり、簡易の展望スポットが設えられていました。写真撮影をするなら、こちらの方がお勧めです。本日は厚い雲が広がり、富士山の頭は隠れて見えませんでした。

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JR興津駅までは、ハイキングルートが整備されていますが、展望台からしばらくは舗装されていない急峻な尾根づたいの小径を下ります。途中何度か小休止しながら、下り基調の約4㎞を歩き切りました。

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桜も五分咲きくらいでしょうか。

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所感

峠歩きを目的に遠出したのは久しぶりでした。歩いていた時間は2時間くらいで、心地良く疲れました。薩埵峠は、観光地としてもよく知られた場所で、休日はもっと混雑するようです。

さて、次はどの峠を攻めましょうか。足腰が丈夫なうちに数をこなしておきたいところです。


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