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Markover 50 の読んだ本

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Markover 50の読んできた本の読書感想文を収めています。
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2022年2月の記事一覧

『捨てない生きかた』を読む

本日は、五木寛之『捨てない生きかた』(マガジンハウス新書2022)の読書感想文です。読み終えた今、「悶々としていて調子が優れない時には、人生の達人の紡ぐことばに触れるのが最適だ」と再認識しました。 『Together & Alone』『Keep on』五木寛之氏(1932/9/30-)は今年90歳を迎える今も、一線の作家として執筆活動を継続されているレジェンドです。私のnoteでは、過去に何度も氏の作品を取り上げてきました。「下山の思想」「学生期・家住期・林住期・遊行期」な

『社会的共通資本』を読む❹

随分と間があいてしまいましたが、宇沢弘文『社会的共通資本』(岩波新書2000)の❹です。いよいよ教育についてです。 第4章 学校教育を考える教育は、人間が人間として生きているということをもっとも鮮明にあらわすものである。一人一人の人間にとっても、各人の置かれた先天的、歴史的、社会的条件の枠組みを超えて、知的、精神的、芸術的営みを始めとして、あらゆる人間的活動について、進歩と発展を可能にしてきたのが教育の役割である。(P124) 宇沢氏は、学校教育は社会的共通資本の重要な要

『デジタル・ファシズム』を読む

本日は、堤未果『デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える』(NHK出版新書2021)の読書感想文です。 気鋭のジャーナリストのヒット本を読むかなり売れている本のようです。よく立ち寄る松本市内の本屋でも目立つ場所に陳列されていたので、購入しました。著者の堤未果氏は、硬派の国際ジャーナリスト・著作家で、著作も多数ありますが、著書を読んだのは今回が初めてでした。 親族には有名人が多く、父は放送ジャーナリストのばばこういち氏、母は詩人の堤江実氏、弟はピクサーなどで活躍してい