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Markover 50 の読んだ本

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Markover 50の読んできた本の読書感想文を収めています。
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2021年12月の記事一覧

年末年始の読書計画

昨日で仕事納めだったので、本日早朝に松本を立って、昼過ぎに横浜の自宅へと戻ってきました。 最愛の息子は私の帰宅に大喜び!‥‥ することもなく、テレビを観ながら「おかえりなさ~い」という気持ちのこもっていない歓迎を受けました。苦笑するしかありませんでした。私よりも、私の使っているスマホを待ち侘びていたようです。 さて、本日のnoteでは、年末年始の読書予定を備忘の為に残しておこうと思います。 ①岡田斗司夫『「世界征服」は可能か?』(ちくまプリマ―新書2007)オタキングこ

『家族と社会が壊れるとき』を読む

本日は、是枝裕和、ケン・ローチ『家族と社会が壊れるとき』(NHK出版新書2021)の中の、ケン・ローチの語った若い世代の人々へのメッセージ(P172‐174)の内容から膨らませて考えてみます。 ケン・ローチ再び本書は、町山智浩『それでも映画は「格差」を描く』(ナショナル新書2021)の中で紹介されていたケン・ローチ監督作品に触発されて購入しました。作品の感想は、noteにも書きました。 本書は、是枝裕和氏との間で行われた対談の記事ー『"家族”と”社会”を語る』『映画と社会

近くにも遠くにも感じる村上春樹氏

本日は、こちらに来てから手に入れて、ひとりの夜に何度も読み返している雑誌、BRUTUSの『特集 村上春樹 上・下』から感想文です。切り取ってコメントしたい部分は多々あるのですが、下巻の”村上小説を音楽で読む。”からの掘り下げです。 音楽マニアの村上氏ご自身で自覚されているか定かではないですが、村上氏の生き方や価値観に憧れ、羨ましいと思っている人は、自分のみならず、世界中に無数にいるだろうと思います。 比較するのもおこがましいですが、私が愛している四つの要素、本・音楽・旅・

『全体主義の克服』を読む

本日は、マルクス・ガブリエル、中島隆博『全体主義の克服』(集英社新書2020)の読書感想文です。 哲学者の対話本書は、二人の哲学者の対話をまとめたものです。マルクス・ガブリエル氏(ボン大学教授)には、”『新実在論』の旗手”、中島隆博氏(東京大学東洋文化研究所 教授)には、”中国哲学の脱構築者”という紹介タグが付いています。副題には、”Towards a New Enlightenment”と書かれています。 1980年生まれのガブリエル氏は、今話題の哲学者です。私も個人的

『歴史のダイヤグラム』を読む

本日の読書感想文は、原武史『歴史のダイヤグラム 鉄道に見る日本近現代史』(朝日新書2021)です。 書店で見つけて、ジャケ買い息子が電車好きなせいか、私も鉄道が年々好きになっています。時間の制約を受けず、目指すべき目的の場所を決めずに、ひとりで在来線に揺られる電車旅はかなり楽しいものがあります。会社を辞める数年前から、青春18きっぷを毎シーズン買って、ささやかな冒険旅を楽しんできました。 本書は、書店で見つけて、ろくに中身を確認せずに衝動買いしました。著書の原武史氏のこと