野球中継が “痛い” ?

野球中継で体調がわかる?

わたしのもつアスペルガーの特性として、『自分の疲れを自分で認識できない』というものがなかなかやっかいなのですが、担当医と話しているうちにだんだん自分の疲れのバロメーターを認識する方法がわかってきました。

わたしの場合、いちばん顕著に現れやすいのが、『聴覚過敏』です。
ボリュームの調整機能が格段に落ちる。
すべての物音が同じボリュームになることで、周囲の音がうるさくて、耐えられなくなってくるのです。
そうなったらもう身体が「疲れているから休ませて〜」と言っていることがわかってきました。
なので、野球中継ひとつとっても、その日の自分のコンディションがわかるようになりました。

なぜ、野球中継なのか。

音の種類が、
『解説者の声』『場内のノイズ』という大きく2つに分類できるからです。

チャンネル変えて〜!

比較的体調がよいとき、野球中継はまったく気になりません。
脳がちゃんと『解説者の声』と『場内のノイズ』を分類わけして、それぞれの音のボリュームを調整して、聞き取りやすくしているのだと思います。
なのでちゃんと『解説者の声』を聞きながらゲームの進行を理解し、後ろに聞こえてくる『場内のノイズ』で球場の盛り上がりも楽しめる余裕があります。

では、体調が悪かったり、疲れているとどうなるか。

脳は『解説者の声』と『場内のノイズ』を識別できません
すべての音が同じボリュームで聞こえてきます。

同じボリュームで聞こえて来たら、なにが起きるか。
『場内のノイズ』が前面に押し出されてくるのです。

『解説者の声』の音数は限られていますが、
『場内のノイズ』には大量な種類の音が含まれています。
応援の声、笛の声、鳴りものの音、風の音、ガヤ、話し声、様々な物音...
圧倒的に『場内のノイズ』に『解説者の声』がかき消されてしまいます。

わたしに聞こえてくるのは、『場内のノイズ』の間にプツプツと途切れながらはいる『解説者の声』です。
『解説者の声』だけに集中して聞こうとすればするほど、『場内のノイズ』も耳にはいるので、身体中を悪寒が走るような気分になります。

襲ってくる大量の音にぞわぞわして耐えきれず、部屋をでるか、テレビを消音にしてもらうか、チャンネルを変えてもらうことになります。

自分の体調のせいだとは思っていなかった。

この現象、アスペルガーが判明するまでは、自分の体調のせいだとは思っていませんでした。

・その日のテレビのボリュームが単純に大きい
・テレビ局がいつもと違う
・マイクが場内の音を拾いすぎている

と、自分以外の部分に原因があると思っていたのです。
わたしに聞こえるように、まわりの人も聞こえていると思っていたからです。

「今日、なんかうるさくない?」
ってよく言っていた気がします。

でも、自分の特性について理解をしていくと、この現象もそこからきていることに最近気づきました。
「うるさいのは、わたしだけだ。(※その場にいる家族の中では)」
「それはわたしが今日すこし疲れているからだ。」

野球中継が気になったら、無理せずに早めに休もう。

わたしは「自分の疲れが自分で認識できなかった」ので、きづいたらぶっ倒れるまでやってしまうということがたびたびありました。

でも、わたしの疲れは「耳」にでることがわかり、野球中継に限らず「音」が気になったら、疲れている自分に気づき、その日はいつもよりも早め休んで、身体をいたわることができるようになってきました。

どうしても、頭と身体が分離しやすい(頭が先行して、身体をおざなりにしがちな)アスペルガーですが、「耳」を通じて「身体の訴え」を大切にしていこうと思うようになりました。

もし、野球中継などで耳を塞いでいる人がいたら、疲れているせいかもしれないので早めに寝るようにすすめるのもよいかもしれません。


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