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都知事候補の政見放送まとめました(社会科の授業で使えるかと!+選挙公報等も追記)

今まだ教師(中学社会)だったら、都知事選の政権放送を授業でやっている。なぜって、生徒の政治・政治家への関心意欲の増幅を肌で感じる上に、「人を見る目」について考える機会になり、「伝え方」の大切さまで気づけちゃうから。

授業プランは・・・
1.候補者3,4人を2分ずつ視聴、以下3点各自メモ
(1)候補者のメッセージ (2)候補者の印象 (3)気づいたこと
2.メモシェア(挙手発言制)
3.教科書情報チェック(選ばれた人が我々の代表・代弁者となり、地域づくりの中核となること、それはつまり彼らが税金の使い道、地域のルール(国なら法律、都道府県なら条例)をつくること云々)
(4.生徒の反応により、もう一度政見放送を見せる、あるいは「続き」を見せる)

「2」が実に盛り上がるのです。どう盛り上がるか、は後で述べるとして・・・

もし今教師だったら、授業視聴するのはこの4名

メディアによく取り上げられた候補達の中で、プレゼン手法が異なる四名。

小池ゆりこ氏

宇都宮けんじ氏

山本太郎氏

小野泰輔氏


見た後、どんな話し合いを?

今まで(5年以上前ですが)の生徒の手応えを思い出しつつ、こんなことを気づくんじゃないか、を想定して書いてみます(実際には、候補者の政策への賛否についても出てくるのですが、このnoteではそれは避けて、「プレゼン・印象」のみを書いてみます)

共通点は?
皆が口にする課題(話題)はコロナ!(ちなみに2014年の都知事選では「オリンピック」)
小池氏は?
立て板に水を流す喋り(さすが元キャスター)、響きのいいワーディング(東京大改革の3本柱、都民ファースト)、でも抽象的?
宇都宮氏は?
過去の実績・経歴を述べて実力を示している、おだやか。きつい言い方をすると「印象残らない」 ←←2014年も生徒に「真面目か!」「つまんな」っていわれてた。や。真面目って大事なんだけど。
山本氏は?
情景が目に浮かぶエピソードで東京の現在の悲惨さを語りと、だから僕は立ち上がりたい、まっすぐ目を見てヒーロー宣言。(「多くの人がご自身のせいだ、と自分を責めますが、あなたは悪くない!頑張るべきは政治だ!」 ですってよ。くーっ。中高生人気高いだろうな ←←山本氏への賛否ではなく感覚として。氏の発信方法、メディアの使い方は度々授業でとりあげてました。天皇に手紙直渡しってナシなんだけどアリになってしまった、とか)
小野氏は?
台本のチラ見が気になる・・・とおもってたら、台本持ち上げちゃった!氏の論理より先に、「小池知事のダメポイント」という批判から始まる。

気づいたことに正解なんてないので、生徒の発言をふんふん聞いていると
「でもこの人、前は何やってたの?(信頼できる人物なの?)」
「こう言ってるけど本当?(盛ってない?)」
「コロナ対策について意見が分かれてるけどどっちが正しいの?」
「政見放送だけでよしあしは判断できるの?(他に選ぶにあたって知るべき情報はどこにある?)」
とかとか、アレコレ出てくるわけです。
(「台本読むっていいの、だめなの」「自分が候補者だったらどうプレゼンを組み立てればいい?」とか、伝え方についても色々でてくる)

授業で視聴するなら…候補(次点)

全候補者最初の3分見ましたが、授業で見せるなら、という視点で面白いかと思った方々。
※本当は生徒に候補者を見せて「誰を見たい?」と聞くのがよいのだけれど、今回は授業ではちょっと・・・とひいてしまう候補もいました。いや、それもまた事実≒学びのネタになるわけですが。

スーパークレイジー君・西本誠氏

「今まで選挙に行ったことは1度しかなく、興味はなく、公約を守る政治家はいないと思っていたが、今回そういう自分みたいな人たちをどれだけ動かせるかなって…」

中高生にわかりやすい言葉遣い・喋り・論理。
彼はどんな東京を作りたいと思った?なぜ彼は立候補したと思う?立候補するとどんなよいことがある(どんなことができる、どんなチャンスが得られる)んだろう?を考える好事例。

平塚正幸氏

https://www.youtube.com/watch?v=MB6TTrZ55wA

「コロナはただの風邪、こどもは密になって遊ぼう、本当に自粛は必要?インフルエンザと比較しよう」

中高生が「え?」と思うだろうことを堂々と言い切っている。氏の意見を頭ごなしに「間違っている」と決めつけるのでなく、本当に間違っているのか、実は共感してたことはないか、氏の論理から学べるところはないか、の参考に。

※YouTubeのサムネイルが、何故か出てきませんが故意ではなく。以下の方々についてもできなかったので、リンクにしちゃいました。

その他の候補者(順不同)

名前をクリックしたら、それぞれの政見放送(YouTube)が始まるはず!

込山洋氏(マック赤坂の後継的な?)
桜井誠(「ブカンハイエンが…」って繰り返してて、何それ?!と氏のHPを見たら、武漢肺炎だった。コロナをこう呼ぶのか)
竹本秀之(東京限定での消費税廃止という経済再生論)
斉藤健一郎(堀江氏の話、堀江氏の本の話をあれこれ)
関口安弘氏 七海ひろこ氏 押越清悦氏 服部修氏 沢しおん氏 市川浩司氏 長澤育弘 立花孝志氏 後藤輝樹
※次のお二人は、政見放送への出演はなく、経歴が読まれるだけ
 石井均氏  牛尾和恵

以上、授業で使うなら…という視点での都知事選候補者の政見放送あれこれでした。が、候補者全員のリンクがありますので、投票のご参考にもなれば幸いです。

選挙公報(紙面)をみると、これまたオモシロく…(7/4追記)

政見放送(映像)と選挙公報(紙)ではまたそれぞれ伝え方が違います。

小池

宇都宮

山本

小野

授業で使う「政見放送」として次点にあげたお二人はこんな感じ

スーパークレイジー

(スーパークレイジー君、政見放送と選挙広報、訴え方・内容が大幅にちがう!)

平塚

政見放送に出演していないお二人のうち、石井均氏は広報には掲載されていました。

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その他、全候補者はコチラから確認いただけます(東京都選挙管理委員会・都知事選・選挙公報のPDF)

都知事選の供託金(選挙に出馬するにあたって託すお金)は300万円。
有効投票数の1/10獲得できなければ。没収されます。有効投票数は、投票された中で有効であるものの数(白票は無効、候補者じゃないことが書かれていても無効)
(ちなみに2016年の都知事選では、有権者数(投票権のある人の数)約1100万人、投票率59.73%、有効投票数約654万票、無効投票数約7万票。
小池氏約291万票得票で、都知事になったのでした ※2位約179万票、3位約135万票)

選挙ポスター、政見放送にみる多様性、そして(7/5追記)

杉並区某所の投票所に貼ってあったポスターはこんな感じ

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そして、こちらのnoteに本記事を取り上げて頂きました。

岩佐さんのnote記事を読みながら、もしこんな生徒がいたら…と考えた。

以下、妄想
政見放送視聴の授業の翌日、F君は眠そうな目をこすりながら「宿題忘れちゃいました」という。理由を尋ねると
「候補者全員の政見放送をみてみたい、と思って夜通し見てたんです。色んな人がいたから、アレコレ考え事をしていたら、朝が来まして」

さて、F君にかけるべき言葉とは?

「それオモシロイ! どんなこと考えたかゆっくり教えて! 宿題提出有無は、皆に等しい成績評価だからその分減点ね、それも現実だし、成績評価だけが世の中ではないという現実もあるからね」
とF君の発言に爆笑しながら言える教師でありたいな。
(※これが正解ではありませんよ、私個人の理想ね)

教師側は”教えるねらい”をもって授業を組み立てる(選挙権・被選挙権について理解する、とか)。
けれど、何を学ぶか、感じ、自身の種として育てていくかは生徒の自由だ。〇×がつけられる「確認テスト」で評価することとは違う次元にある。
そしてたった一人の他者(担当教科教員)の評価が全て、なんてこともないのだ。
最も不徳だった教科社会科の教員になったのは、そういう「社会」を知る・気づく機会を提供したかったからなんだよな。

さて、明朝は、各紙一面比べするかな。

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