介助者交通費無料化 東急からの回答

山本眞理様

201 9 年 5 月 29 日

東京急行電鉄株式会社 鉄道事業本部事業戦略部


拝復 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
この度は、割引運賃制度などに関するお手紙をいただき、誠にありがとうございます。 いただきましたご意見、ご要望につきまして、当社の考え方を述べさせていただきます。

当社では、旧国鉄(現J R) の制度に合わせ、従来より身体障がいのお客さま、知的障が いのお客さまなどへの運賃割引制度を導入しております。

障がいをお持ちのお客さまと介助されるお客さまが同一区間をご利用される場合、その 負担感に配慮し、それぞれ 5割引の運賃としております。

障害者差別解消法の施行により、精神障がいのお客さまも身体障がいのお客さまや知的障がいのお客さまと同様に差別的取扱いをしてはならないという法の理念につきましては、 重々承知いたしております。

しかしながら、障がいをお持ちのお客さまへの運賃の割引は、本来社会福祉政策のなかで行われるものであると考えており、公的支援のないなかでの割引制度の拡大は、結果と して他のお客さまのご負担の増加につながりかねないことから、現在精神障がいのお客さ まへの割引はおこなっておりません。

当社は公共交通を担う者として、社会環境の変化に対応し、高齢のお客さま、障がいを お持ちのお客さま、子育て中のお客さまなど、あらゆるお客さまが安全、安心、快適に鉄道をご利用いただけるよう環境整備に努めております。

このため、ホームドア整備計画を前倒しするなど、バリアフリー対策を積極的に推進し ておりますが、これらは社会的意義の高いものとして国や自治体の補助制度が確立され、 当社においても補助制度を活用しながら早期整備に努めているところでございます。

障がいをお持ちのお客さまへの割引制度につきましては、経済的な支援という観点から 今後も必要であると認識しておりますが、対象範囲を拡げるためには、社会福祉政策の一 環とした助成制度の整備を前提に、国や自治体と一体となって導入に向けた検討をすべき であると考えております。

以上のような事情をご賢察いただき、ご理解賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げ ます。
                        敬具

介助者無料化への申し入れ



精神障害者権利主張センター・絆 会員 世界精神医療ユーザーサバイバーネットワーク理事