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【映画感想】未来惑星ザルドス



■「未来惑星ザルドス」観た。
これまた古い映画で1974年のものだと言う。
しかし、なぜかこれは見ねばならぬという
私の直感に従い観ましたのですよ。

それが大正解!
面白い映画だ。
予告編で見たような派手さは全然なく、
むしろ地味!

■そう、これは社会だ!
ソサエティ!
人間社会を完全なまでに映画に閉じ込めた名作である!

■もし、不老不死が実現したらどうなるか?
そんな思考実験でもある。

まぁ、それは簡単なことで。
不老不死が実現すれば人は死なない。
ということは永遠に生きられる。
子供を産むと人が増える。
でも老人は死なない。
人が増え続けてしまう。

それは困ってしまうので。
「子供は作らないことにしよう」って
普通になる。

世界は安定する。

■そしてその安定を維持しなければならない。

危険は者は排除しなければならない。
危険な思想ももちろん取り除くべきだろう。

それらは民主主義的に皆の投票で決める。

完全に完璧に平和な世界が作られる。

そう、なるはずだ。

■ねーー、なるはずですよねー。
良い人が集まって良い世界を作ろうっていうんだから。
とっても良い、ユートピアのような世界が作られるはず。

だったらあの赤いフンドシのみの、ほぼ全裸に
銃弾を込めた弾帯ベルトを両肩からクロスにかけ
足にはブーツ、
右手には小銃。
ショーンコネリーが演じる
野蛮な男はなんなのか!

■そう!ユートピアには外の世界があった。
楽園に不都合な物はそこにすべて押し付けた。
そうすることによって楽園は成り立つのである。
その内なる世界で人類は永遠に生き続ける。

■そんな話なのですが。
これが1974年に作られた話とは思えないくらい
現代2022年そのままなんですよね。
現代社会のあらゆる問題点がこの映画で既に描かれている。
ユートピアの人たちが投票でものを決めるときの
「Vote ボート!」
って声がちょっと怖く感じられるのですよねー。

そして当たり前のように小型コンピューター
まるでiPhoneのようなものをみんな持っているし。

■不老不死ってのは実現するかはわからないけれど、
特権階級による世界支配。
格差社会、分断。
それはある。

どこまでを世界と認めるか。
みたいなねー。
自分達さえ良ければ他はどうでもいい。
というかそこを世界と認めなければよい。
っていうねー。

■あなたの想像する平和は
自分以外の誰かを犠牲にして、
自分さえ安全で安定ならばそれで良い
自己中心的な平和になってないですかねー?
なんてことを突きつけられる。

■そんな究極の安定のぶり返しで
不老不死の人たちは
死を求め。
野蛮な暴力に回帰してゆく。

しかし、なぜかそれこそが生命力に溢れる
魅力的で豊かなものとして
感じられてしまうのだ。

■さぁ、彼らは失敗したぞ。

あなたは作れるのか?
ユートピアを。

『未来惑星ザルドス』公式サイト

極楽京都日記: 【映画感想】未来惑星ザルドス https://kyotogokuraku.blogspot.com/2022/11/blog-post_20.html?spref=tw


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