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カメラを止めるな!

キャストは無名の俳優たち。
制作費300万。
見終わったらスタンディングオベーション。

一体どんな映画やねん。

小耳には挟んでいたが、絶対に見に行こうと言うほどのモチベーションはなかった。しかし、役者仲間に大推薦され、しかもまだ当時(2週間ほど前)は公開劇場も少なかったにも関わらず、近くの映画館でやっていると知り、行ってみることにした。
レディースデーでもなかったので、1800円払って。

劇場は平日の夕方なのに満席だった。
めちゃ面白いと聞いていたが、最初の30分くらいは陳腐なゾンビ映画だった。”ちょっと気持ち悪い”くらいで何か大きな仕掛けや驚きがあるでもなく、ストーリーもさして趣向を凝らしたものではなく、笑える場面もない。しかも、それで1回幕切れ。「え?もう終わったの?1時間くらい経ったっけ?」と、時計を確認しそうになったくらい。

だが、この映画の本番はこれからであった。。。

誰しもが感想で書いてあると思うが、後半についてはネタバレになるので書けないことが多い。私の出来る表現で言うと、

前半のゾンビ映画の問題を、後半で答え合わせしていく。

と言ったところか。

その答え合わせの中に、笑いと涙と感動が詰まっている。
誰もが前半に問題があったなんて思ってないから、意表を突かれ、その世界に引き込まれ、共感していく。
特に映像や舞台を作っている人たちにとっては、普段世間には見せない(見せてはいけない)側面を思いっきりぶちまけちゃってるから、「あるある~!」と清々しさを得ることが出来る。それは「作品を作る」という世界だけではなく、企業でもお店でも、同じような場面が必ずある。だから皆が最後に、「よく頑張った!」「おつかれ!」の気持ちをこめて拍手をするのではないだろうか。

失敗したっていいじゃない。
誰かが誰かをフォローして、
その失敗が大成功になったりする。

もうダメだとヤケクソになった人がいたと思ったら、
一方で最後まで諦めのつかないアホがいて、
その相反するエネルギーが想定外の奇跡を生んだりする。

当事者たちが必死で、あるいは何も考えず自己中に、
やり切った先に、見えてくる世界がある。

もっと頑張ろうと思えたり
このままでいいやと思えたり
この作品は観る人の気持ちに添う映画なのだろう。
ゾンビ映画なのに。
制作費300万なのに。
無名の俳優しか出てないのに。

本当にいいものを作っていれば、
鼻の利く人たちは集まってくる。


と、私の尊敬する小林賢太郎さんの言葉通り。

あと、どうでもいい話だけど、
役者の名前をもじって、映画の役名にしているところが好き。私も舞台の脚本を書く時、出演する役者が決まっていたら、そうやって名前を付けることが多いから。

是非、劇場へ!!
その足を、止めるな!!

まりお

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