見出し画像

【2021/7/30】富士山の思い出

昨日書いた富士登頂についてのnoteはコチラ

毎年、順調には行かない富士山。
そして何かしらの出会いや発見がある富士山。

今年のベスト3を勝手に発表!

①95歳のおばあちゃんの登頂。

登山で追い越し追い越されをするときは、どちらともなく止まって道を譲る。9.5合目から頂上に向かう途中、わたしの前方に座って休んでいる人と傍らに付き添っている人の二人組がいた。わたしが追い越すとき、「こんにちわ~」とあいさつをすると、座っている方は思ったより高齢の女性で驚いた。おばあちゃんは「こんにちは~いい天気ですねぇ!」と元気に声をかけてくれた。付き添っている男性も「(天気よくて)良かったですね!」と話してくれて、素敵な二人だなぁと思いながら通り過ぎた。

頂上に着いて、遅れて登ってきた父(父は足が攣ったのでゆっくり登っていた)が「登っとるおばあちゃんおったやろ?(佐世保弁)」と興奮気味に話してきた。その二人組とそこそこ話をしたようで、その内容を教えてくれた。

おばあちゃんは95歳で、今回で登頂8回目。これはわたしたち父娘と同回数。なんと登頂に3泊4日、下山に2泊3日のスケジュールで毎年富士山に来ているとのこと。連続で来ているかは分からないけれど、それでも登り始めたのは80歳過ぎてからだろうし、それだけのモチベーションと準備とやり遂げる気持ちに頭が下がる。1週間かけて、一歩一歩、自分の足で確実に頂上まで歩んでいき、そして下山する。「素晴らしい」の一言。もっと頑張れよ、とお尻を叩かれた気分だった。

②Navyの大群

頂上で休んでいると、後から後から外国の方が登ってくる。しかもどことなく体格がいい。山小屋とかで売っている木の杖に日本国旗や旭日旗を括りつけている人が多く、下山途中も来るわ来るわで「Hello」とか「コンニチハ!」とか挨拶をかわしながらも、ますます謎は深まるばかり。もしかしてオリンピック関係者?とも考えたが、外出は禁止されているはずだし…。たまらず、9.5合目の山小屋でスタッフの人に聞いてみると、どうやら日本に駐在しているアメリカの軍隊の人だという情報を得る。なるほど、体格がいいわけだ。

9合目の山小屋なんて「わたしたちって観光客だっけ?」と思ってしまうほど軍隊の方に囲まれていた。陸軍か海軍か空軍か気になった父が「Army?」とか何やらなけなしの英語で尋ねていると、「Marine」と答えてくれたので、海軍だと判明。すれ違った人数の感覚値だが、軽く100人は超えていた。その群れは8合目を過ぎるころまで続いた。みんな半袖短パンで登っていたので、さすがだなぁ~の一言に尽きる。しかし靴とリュックは配給されるのか、ベージュのかっこいいデザインのもので統一されていて、どうにかしてほしいと思った。とりあえず山小屋で目が合った人に「Cool!」と褒めておいた。

③父の足攣り

これは前回(2年前)から見られていた兆候だったのだが、今年はさらに悪化した。8合目あたりで「やばいかもしれん」と、太腿の前側(たぶん大腿四頭筋)が攣りそうになっているとの報告。50歩進んで小休止のペースが安心だと牛歩作戦スタートさせるも、8合目の中腹。突如足がピーンとなる症状が出て、動けなくなる。どうやら前側だけでなく、後ろも攣ったらしく、膝が曲がらない。マッサージしてみたり、どうにかストレッチしてみたり、応急処置をして、なんとか歩けるようになった。が、「攣り」というのは完治しない。サッカーだって攣った選手は最終的に交代するもん。ここまでは父とともに歩んできたが、ペースを合わせて休み休み歩くのは正直しんどい。9合目から仕方なく別行動にし、次の山小屋で待つことにした。9.5合目の山小屋。わたしが着いてから30分後に父はやってきた。そして頂上まで。わたしは30分ほどで到着し、待っている間、最高峰の剣が峰まで登って降りてきたころ、父が登頂した。

どこでも諦めることは出来た。もう7回登ってるんだから、1回くらい諦めても誰も怒らない。てかこれまで毎回登頂できていること自体が結構奇跡で結構すごい。それでも父は諦めなかった。攣った足を抱えてずっと頭に浮かんでいた言葉があるという。

千里の道も一歩から

富士山登頂の道のりは決して簡単なものではない。それは、とても長くて険しい。だけど歩みを止めなければ、一歩ずつでも進んでいけば必ず頂上にたどり着ける。そう思って登り続けたら、今年もちゃんとたどり着いた。

やっぱすげえ。父ちゃんすげえや。諦めることを知らねえ。来年のために前腿のトレーニングも始めるらしい。67歳。いつまで生きるか心配だ(いい意味)。

※ちなみに下山は攣らないらしい。使う筋肉が違うから?それも不思議。

と言うわけで、今年もたくさんの思い出をくれた富士山。
筋肉痛は安定のお土産だ。

クリエイトすることを続けていくための寄付をお願いします。 投げ銭でも具体的な応援でも、どんな定義でも構いません。 それさえあれば、わたしはクリエイターとして生きていけると思います!