見出し画像

【2021/9/11】青春を塗りかえる

高校時代の3年間、ともに厳しい練習に耐えながら汗と涙を流し、寮で同じ釜の飯を食って生活した仲間が7人いる(わたし含め)。5人は実業団に行き、2人は大学に進学した。さすがにもうバレーボールは引退していて、わたし以外のみんなは結婚し、子どももいて、幸せに暮らしている(たぶん)。わたしは結婚してないし子供もいないけど、幸せに暮らしている。

7人のグループLINEがあって、何か報告があったり、話題があったりすると連絡が来る。「転勤になります」とか「台風大丈夫?」とか。

しかし今日、あるメンバーより、何の脈絡もなく奇妙な動画が送られてきた。

それぞれ違うバージョンで7人分、Faceplayというアプリでつくった顔ハメ動画が送られてきたのだ。

中国のアプリなのか、なれるベースは中国美女で、わたしのバージョンは女子高生っぽいが、他の子は中国民族衣装を着たモノもあった。本人よりも数百倍かわいいけれど、自分の顔の要素もあるので「おおお(わたし)可愛いじゃん」という感嘆の声と、「いやいやいや(わたしちゃうで)」という薄ら笑いが込み上げてきた。

なにせ元の写真データは高校時代のガッツリバレーボールをやっていた時の写真を使っているのである。

17歳くらい?当たり前にノーメイクで眉毛ボーボー。ヘアスタイル刈り上げ。こんなにボーイッシュなのにユニフォームはブルマだった。ただ、プロポーションは一番いい時期だったと思うけれど。

わたしの高校時代はこのビジュアルで過ごしていたわけだから、セーラー服を着ていてもちょっと違和感があったし、ジャージ姿ならほぼ男の子と思われていたし、スポーツ特待生でもあったので他の生徒たちからちょいと憧れられる存在でもあった(女子高だったので特に)。

でも、スポーツ進学をしない選択をしていたら、アプリのわたしにまではなれないにしても、近い感じにはなっていたのかなという思いも芽生えた。そうなると、例えば初対面の人にあの動画を見せて「高校時代こんなんだったよー」とか言ったら貫き通せるのではないかと思えてくる。

つまり、青春時代の塗りかえである。

もう少し自然な動画を選んで(あればだが)、長尺じゃなくて短い動画かもしくは写真に加工すればいい。自分の過去を自由自在に生み出せる世界がもうそこまで来ている。それくらい、写真だけでこんなに自然な顔ハメ動画がつくれてしまう技術に驚く。

スパイでもあるまいし、トム・クルーズでもあるまいし、そんな工作は必要ないのだけど、技術が進化すればするほど気軽に楽しめる一歩で、その情報やデータが本当に正しいモノであるのか、おふざけなのか、騙そうとしているモノなのか、違和感に気付く力や見極める力をつけて行かないといけないとも思った。

さて。

本当のわたしはどれでしょうね・・・

クリエイトすることを続けていくための寄付をお願いします。 投げ銭でも具体的な応援でも、どんな定義でも構いません。 それさえあれば、わたしはクリエイターとして生きていけると思います!