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過剰で魅了。

今クールで見ている(た)ドラマは、ハケンの品格と半沢直樹。

正直、どちらも実生活・実社会で考えると有り得ない設定や展開が多いような気がする。もちろん、本当にそういう会社はあるだろうし、共感できることもあるにはあるのだけど、全体的に見ると「ありよりのなし」といったところだろう。

だからと言って「つまらない」という評価にはならない。

むしろ見どころは多い。役者の魅力であったり、トンデモ展開を笑えたり、会話そのものにパンチがあったり。ストーリーのハチャメチャ加減と演出の相乗効果が成り立っているようにも感じる。

わたしは脚本を書くときに、リアリティを追求する傾向がある。もちろんファンタジー要素を取り入れる時もある。だが常に考えていることは「その世界を信じられるか」ということ。見た人読んだ人が『ないない』と放り出してしまう内容ではないか、ということを常に考えている。そうなると必然と「常識」とか「現実味」とかが先頭に立ち、せっかくの創作であるにも関わらず、それに囚われてしまっていることが多い。

そして、半沢直樹やハケンの品格をみて思ったのは

あぁもっとハチャメチャでいいのか

ということ。

過剰さが視聴者を魅了することもある。もちろんそれは役者のお芝居あってこそ、のことだとは思うけれど、自分が物語を創作する上ではそれは一旦置いといて、もっともっと過剰な表現や有り得ない展開をしてみたっていいんじゃないか。

誰がわたしの首を絞めるのか。

それは他でもない自分自身であって、誰にもあんなこと書いちゃいけないとかそれはつまらないとか言われていない段階で、リミッターを付ける必要はないのだということをあのドラマは教えてくれた気がする。

面白いお話を作りたい。

そこに制限なんてないはずだ。

しっかし、大前春子と東海林武のかけあい、半沢直樹と大和田とのやりとり、面白いなぁ。どこまでが台本でどこまでがアドリブか分からない。何度見ても魅力的。過剰さも度を超すと受け入れられるようになるんだなぁ、不思議。

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